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“新世代フェラーリの主役”PHEVスポーツ「296GTB」の走り味とは? 高い完成度はドライバーを魅了する

マラネッロが自信をもって送り出した“これからの主役”

 マラネッロがオールニュー、しかも、ミドシップスポーツモデルのグローバルローンチ試乗会をイタリア国外でおこなったのは「296GTB」が初めてのことだった。

フェラーリが市販するハイブリッドカーの本命であり、2シーターミドシップモデルの最新モデルとして誕生した「296GTB」
フェラーリが市販するハイブリッドカーの本命であり、2シーターミドシップモデルの最新モデルとして誕生した「296GTB」

 296GTBは新開発となる120度V6エンジンと電気モーター+中容量バッテリーのPHEV(プラグインハイブリッド)パワートレインを搭載する“これからの主役”だけに、フェラーリ自身、寄せる期待も大きく、また自信も大いにあったからに違いない。スペインで開催された試乗会ではサーキットとカントリーロードで思う存分に新しい跳ね馬を堪能し、かなり惚れ込んで帰国したものだった。

 今回ロングドライブへと連れ出したのは、人気のセットオプション“アセット・フィオラノ”つきではなく、スタンダードな仕様だ。もっとも、サーキット走行を頻繁に楽しむという人や特徴的なセンターラインの“リバリー”が欲しい人、ほとんど乗らないというコレクター“以外“はスタンダード仕様の方が好ましいと思う。アセット・フィオラノを選ぶとショックアブソーバーのダンピングが固定されるし、フロントリフトアップ機構も装着できないからだ。街乗りを考えると断然、スタンダード仕様だと思う。

 ややトーンの落ちたレッドメタリックが、ふくよかなミドシップスタイルによく似合う。乗る前からドキドキさせるデザインだという点において、最近の跳ね馬の中では随一ではないだろうか。特に、斜め後方からのスタイルは絶品。フェンダーラインのふくらみが1960年代の美しきイタリアンベルリネッタたちを思い出させてくれる。丸型ではないリアライトも随分馴染んで見えてきた。

 最新の跳ね馬でロングドライブへと出かける際、筆者はいつも始めのうちは“マネッティーノ(ドライブモード切り替え)”を「WET」に設定する。ステアリング系がどっしりと落ち着いたフィールになり、足回りのダンピングも心地よくゆるんで、力の出方もかなりマイルドになるからだ。

 この感覚を最初に知ったのが「812スーパーファスト」だった。何気なく「WET」モードを選んで走ってみるとそうしたフィールだったため、思わず「マラネロまでもがジャーマンドライビングテイストの軍門に下がってしまったのか!」と心の中で叫んだものだ。

 実際には、電動パワーステアリングの採用により、ドライブモードに合わせて細かくフィーリングを変えることができるようになっただけのこと。マネッティーノをスポーツやレースに変えると元の元気な跳ね馬に戻ってくれるのだった。

「WET」で走り出すと、前輪が意思を持っているかのように直進性重視となり、両手をステアリングに軽く添えるだけで安定したドライブを楽しむことができる。乗り心地の面でもショックの当たりがやわらかで、路面の段差がかえって気持ちよく思えるほどだ。

 PHEVの296GTBにはマネッティーノのほか、パワートレインのモードも用意されているが、とりあえずは満充電でスタートしたから「ハイブリッド」モードを選んで走り出す。

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