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トヨタ新型「クラウン・スポーツ」にマットブラックのボディ色が出る!? 凄みのあるステルスカラーの秘密とは

来場者を魅了したステルスカラーのクラウン・スポーツ

 2023年秋に発売予定のトヨタの新しいスポーツSUV「クラウン・スポーツ」のプロトタイプが、先ごろ富士スピードウェイで公開されました。

 当日は、メディアや招待ユーザーの前で3台のクラウン・スポーツが初披露されたのですが、なかでも人々の目を釘づけにしたのがマットブラック(つや消しブラック)に塗られた1台。事前に公開された情報にはなかったスペシャルカラーのクラウン・スポーツは、どんな存在なのでしょうか?

お披露目会場で来場者の目を釘づけにしたマットブラックのボディ色をまとったトヨタ新型「クラウン・スポーツ」
お披露目会場で来場者の目を釘づけにしたマットブラックのボディ色をまとったトヨタ新型「クラウン・スポーツ」

 2022年夏の発表会でお披露目された16代目のクラウンシリーズ。従来モデルが4ドアセダンのみの設定だったのに対し、新型は先行発売された「クラウン・クロスオーバー」、ステーションワゴンの「クラウン・エステート」、正統派の「クラウン・セダン」、そしてクーペSUVのクラウン・スポーツという4モデルを設定します。変化の著しいマーケットニーズに対し、セダンだけでなく個性の異なる4つの“クラウン群”で対応しようというわけです。

 クラウン・スポーツのボディサイズ(開発目標値)は、全長4710mm、全幅1880mm、全高1560mm、ホイールベース2770mm。先行発売されたクラウン・クロスオーバーと比べて全長が220mm短く、全幅が40mm広く、全高が20mm高く、ホイールベースは80mm短くなっています。

 この違いは、シンプルに“カッコよく美しいSUV”を目指した結果。クラウン・スポーツは、デザインのためにホイールベースと全長を切り詰め、幅はよりワイドになっているのです。

“カッコよく美しいSUV”というクラウン・スポーツのコンセプトをより際立たせていたのが、今回の会場で初披露されたマットブラックのボディ色。イベント当日は、華やかなレッドやまぶしいホワイトのクラウン・スポーツと並んで、独特の色合いを持つマットブラックの車両が凄みを効かせていました。

●開発車両用のステルスカラーながら市販も検討か?

 2023年4月12日、トヨタ自動車はクラウン・スポーツに関する追加情報を公開。その際、ボディカラーに関して、モノトーン6色、ルーフをブラックに塗り分けた“バイトーン”カラー5色の計11色をラインナップすると明らかにしています。

 その中に、今回、公開されたマットブラックのボディ色は見当たりません。確かに、ブラック系、グレー系のカラーは用意されていますが、写真を見る限り、いずれもツヤありの塗装となっています。マットブラックのボディ色も追加で設定されるのでしょうか?

 会場にいたトヨタ関係者に確認してみると、この色はあくまで、公道などでテストする車両に塗られるカモフラージュ(擬装)用のボディカラーとのこと。マットブラック塗装を施したボディは、表面がツルツルでなめらかな一般の塗装と比べてボディのフォルムがわかりにくくなることから、テスト用車両に採用しているとのことでした。

 実際、今回お披露目されたクラウン・スポーツは、直前までテストをおこなっていた開発車両とのこと。そのためステルス性の高いマットブラックのボディ色に塗られていたのですね。

 しかし、お披露目会場に足を運んだ招待ユーザーやトヨタの公式SNS上では、このマットブラックのクラウン・スポーツが大好評。「カッコいい」「これなら欲しい」といった声が寄せられています。トヨタ関係者も「皆さんの声も参考にしたいと思います」と回答するなど、マットブラックのあまりの反響に新たな気づきを得た様子でした。

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 ツヤを抑えた特殊な塗装のため洗車などのメンテナンスが難しく、これまで量販車に採用された例は少ないマットなボディカラー。しかしトヨタには、先に発売した「GRカローラ RZ“モリゾウエディション”」にマットブラックのボディ色を採用した例があります。

 台数限定での販売となるかもしれませんが、今回の反響を考えると、他のボディカラーにはない独特の凄みを感じさせるマットブラックのクラウン・スポーツが、近い将来、市販される可能性もありそうです。

Gallery 【画像】カッコよさを格上げするマットブラックをまとった「クラウン・スポーツ」を見る(40枚)
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