高級ミニバンが さらに価値を高めて登場

　2023年6月21日、トヨタの「アルファード」と「ヴェルファイア」の新型モデルが発売となりました。両車はラージサイズのミニバンとして人気を集める兄弟車です。

　一方、トヨタの上位ブランドであるレクサスからは、4月の上海モーターショーにおいて、やはりラージサイズのミニバンである新型「LM」が発表されています。新型アルファード／ヴェルファイアと新型LMは、どのような関係になるのでしょうか。また、何が同じで何が違っているのかを紹介します。

　トヨタの人気ミニバンである「アルファード」と「ヴェルファイア」がフルモデルチェンジしました。2015年に登場した先代の「アルファード」と「ヴェルファイア」の兄弟モデルは、「大空間高級サルーン」として非常に高い人気を誇っていました。デビュー直後の売れ行きはそれほどではありませんでしたが、年を重ねるにつれて販売を伸ばしてゆき、2021年には年間販売ランキングで「アルファード」が4位に食い込むほどの人気を集めたのです。

　その人気を踏まえ、新型モデルは「従来から受け継がれる価値を一層追求し、開発を進めました」とトヨタは説明します。つまり、高級路線の継続であり、深化と言えるでしょう。新型アルファード／ヴェルファイアが提供する価値は「快適な移動の幸せ」と定め、それをより追及したというのです。高級路線を追求するということで、新型アルファード／ヴェルファイアには、どちらも上級グレードとなる「エグゼクティブ・ラウンジ」が先代に引き続き設定されています。

　高級路線の深化のために実際されたのが、プラットフォームの一新です。

　新型「クラウン」やレクサス「ES」などにも使われる新世代のTNGAプラットフォーム（GA-K）を採用。車体剛性を高め、前後サスペンションを改良し、操縦安定性能と乗り心地を向上させています。また、シートの防振や、新開発の低騒音タイヤの採用、カウルへの吸音材の配置なども実施。乗員に伝わる振動・騒音を減らす工夫を凝らしました。まるで「森の中にいるような心地よい静けさ」を追求したと言います。

　パワートレインは、3種類が用意されています。2.5リッターのNAエンジンと、2.4リッター・ターボ・エンジン、そして2.5リッターのハイブリッドです。最高出力は、2.5リッターNAが134kW（182馬力）、2.4リッター・ターボが205kW（279馬力）、2.4リッターハイブリッドがシステム最高184kW（250馬力）となります。全グレードに4WDが用意され、ハイブリッドは後輪をモーター駆動するE-FOURが採用されています。

　また、新型モデルでは、アルファードとヴェルファイアの性格付けは、より鮮明となりました。王道のアルファードに対して、ヴェルファイアはこだわりです。2.5リッターNAと2.5リッターハイブリッドのアルファードに対して、ヴェルファイアは、同じ2.5リッターハイブリッドに加え、より強力な2.4リッター・ターボも用意されました。また、サスペンションとボディに補強が施され、パワーを生かすボディとなっています。

　最後に価格も高級化を果たしています。新型アルファードの価格は540万円から872万円になり、新型ヴェルファイアは655万円から892万円となりました。

　300万円台からあった先代よりもスタートラインが大幅にアップされているのです。