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ボルボ新型「C40リチャージ」はなぜフロント駆動からリア駆動に変更? 進化した電動クーペSUVの走り味はどう変わった?

力強い加速力と「澄んだ」ハンドルフィールは後輪駆動のおかげ

 さて、C40リチャージ2024年モデルには、これまでと同様に一般的なクルマにあるスタートボタンがありません。

 ドライバーはスマートキーを身につけておけば、クルマに近づくとドアロックが自動解除され、運転席に座るとセンサーがそれを検知してクルマが起動します。C40リチャージをスタートさせるまでにドライバーが行う行為は、ドアを開けて閉め、シフトをDレンジに入れるだけ。まさにボルボらしいスマートさを実感します。

仕様変更されたボルボ「C40リチャージ」のインテリア
仕様変更されたボルボ「C40リチャージ」のインテリア

 さらにボルボらしさを伝えてくるのが、インテリアの素材に本革を使わない完全なレザーフリー化を実現していることです。

 代わりに本革そっくりな上質でプレミアムさを醸し出す合成素材とし、部分的にはリサイクル素材を使う念の入れようです。これは森林破壊をはじめとする畜産による環境への悪影響への懸念を踏まえてのアクションの一環で、ボルボとしてはサスティナブル素材によって対応していこうという意思表示なのです。

 アクセルをゆっくり踏んでいくと、C40リチャージはその量に応じてリニアに加速していきます。そのスムーズな加速は、まさにスタート時から最大トルクを発生するBEVならではのものと言えるでしょう。それでいてアクセルを床まで踏み込めば、一転、0−100km/h加速7.3秒という強烈な加速を味わうこともできるのです。

 特にこの加速で感心したのがトラクションの接地性です。モータから生み出された大トルクをしっかりと受け止め、力強い加速力で前へと押し出してくれるのです。

 加減速時の安定感、フル加速時の高いトラクション性能は、ボルボが謳う「よりダイナミックで機敏な運転」そのもので、実に魅力的。

 おそらくFWDだったらこうした感触は得られなかったでしょう。逆にこの大トルクがギクシャクとしたフィールを生み出してしまったかもしれません。その意味でもRWDとした2014年モデルへの変身は大正解だったと言えるでしょう。

 走行中はステアリングを切っても、オンザレールの如く狙ったコースをトレースする感覚をしっかり味わえます。これがクルマとの一体感を生み出し、安心度の高いドライブが可能です。

 路面の凹凸をしっかり吸収してくれるのも実に快適でした。特に首都高速での走行では、路面の段差こそ若干硬めとは感じるものの、それでもその処理の巧みさが快適さを十分に感じさせてくれます。

 走行中のノイズレベルも極めて低く、これなら装備されているハーマンカードンのオーディオの魅力を引き出すのに十分でしょう。

 また、速度に制限を加えられる「Care Key」を標準装備したのもボルボらしい発想です。これは高齢者や運転に不安がある人にクルマを貸し出す際、速度制限を設定しておくことができる機能のこと。たとえば80km/hに制限しておけば、ボルボの歩行者検知ができる速度域内なので、完全に衝突を避けることはできないまでも被害軽減にもつながるというわけです。

 一方で使い方を実感できなかったのが、新たに追加となった「ワンペダルオート機能」です。オートモードでは先行車との車間距離に応じて自動的に制動力を調整してコースティング走行を可能にするという機能ですが、先行車を検出した際は減速してブレーキエネルギー回生が行われます。仮に先行車が途中でいなくなったりすると、そこからコースティング走行に切り替わるとのことですが、今回の試乗ではそうしたシーンには遭遇せず試すことはできませんでした。

 今回の試乗では限られた時間で隅々まで試すことは叶いませんでしたが、高品質なインテリアやスムーズでリニアな力強い加速につい惚れてしまった自分がいるのも事実です。

 独特なクーペデザインは、多少好みは分かれるかもしれませんが、個人的には写真で見るよりも実車を前にして好印象を持ちました。

 価格にしても試乗車は700万円を超える価格帯ですが、次世代自動車振興センター(CEV)と東京都から出る補助金を合わせれば、XC40の場合はなんとガソリン車よりも実質安く買えることにもなるそうです。それを聞けば、高品質な内装や走りの良さから満足度は極めて高い、そう実感した次第です。

仕様変更されたボルボ「C40リチャージ」
仕様変更されたボルボ「C40リチャージ」

Volvo C40 RECHARGE ULTIMATE SINGLE MOTOR
ボルボC40リチャージ アルティメート シングルモーター
・車両本体価格(消費税込) 739万円
・試乗車オプション込み価格(消費税込):747万9650円
・全長:4440mm
・全幅:1875mm
・全高:1595mm
・ホイールベース:2700mm
・車両重量:2010kg
・電動機:CCADE
・モーター最高出力:238ps/4000−5000rpm
・モーター最大トルク:418Nm/1000rpm
・総電力量:73kWh
・一充電走行可能距離:590km
・交流電力量消費率(WLTC):143Wh/km
・駆動方式:後輪駆動
・変速機:1段固定式

Gallery 【画像】ボルボのクーペSUV型EV「C40リチャージ」を画像で見る(20枚)

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