●「クラウドファンディングに頼らない」方法でユーザーへ価値を還元する

　クラウドファンディングは、多くの新興ブランドにとって新商品の発売やプロジェクトの実現に向けて有益な道とされてきました。その成功例の中に、カルレイモン(KARL-LEIMON)も名を連ねています。しかし、彼らは新たな挑戦においてクラウドファンディングを使わない決断を下すという意外性を見せました。

　カルレイモンはこれまで、クラウドファンディングを通じて資金を集めて新商品を実現してきました。その成功は彼らの独自のアプローチやデザインに裏打ちされたものであり、ウォッチ愛好家たちからの支持を受けてきました。しかしその成功を受けても、彼らは新たな時計づくりにおいてクラウドファンディングを使わない道を選択しました。

　新作「Majesty」は、カルレイモンが提唱する手頃な価格帯でありながら、高品質な機械式スポーツウォッチを実現する挑戦の成果です。彼らは、クラウドファンディングを使わず、自身のリソースを最大限に活用してこの新作を開発しました。

　さて、それでは「Majesty」のデザインから見ていきましょう。ひと目見て際立つのが、ラウンドフォルムと八角形デザインを重ねた立体的なケース。ポリッシュと筋目をうまく組み合わせることで、ディテールの美しさを演出しています。

　また、ポリッシュ仕上げの多面ダイヤモンドカットを施したアプライドインデックスや、バーティカルブラッシュ仕上げのアプライドロゴなど、凝縮された高級感がスポーティさも同時に表現しています。

　今回、2020年に発売したクォーツ式のトリプルカレンダームーンフェイズ「Majesty」とは違い、機械式として生まれ変わっています。高性能時計の証である日本製ハイビートムーブメント「cal.9015」、「cal.9029」を採用。1時間に28,800回（1秒8回）振動することを意味するハイビートは、秒針の振り幅を小さくし、時計の精度を飛躍的に高めます。

　さらに6時位置のデイトモデルだけでなく、精緻なムーブメントがのぞけるオープンハートモデルも登場。定番のブルーダイヤルに、どちらも選びがたいクオリティの高さです。

●前作好評だったフルブラックモデルも限定発売

　さらに近年のラグスポに多く見られるインターチェンジャブル仕様も採用。工具不要のワンタッチでブレスを交換でき、メタルとラバーストラップのどちらも楽しめるようになっています。ビジネスではブレス、オフの日はラバーストラップなど、ライフスタイルに合わせて自由に変えられるのは本当に便利。

　もっとも注目なのは、前作マジェスティで人気だった限定のフルブラックモデルが今回も登場すること。

「マクアケで発売した際にオールブラックの限定商品100本は24時間以内に完売したため、再販を求めるお客様からの強いご要望により、今回も企画しました」（カルレイモン）

　とのことで、その人気の高さがわかります。限定モデルはそれぞれ「ALL BLACK 3HANDS AUTOMATIC」と「ALL BLACK OPEN HEART AUTOMATIC」99本限定のシリアルナンバー入りです。

　さてここで価格ですが、7万2600円～（消費税込・30本先着価格）とのこと。仕上げとムーブメントからしても、かなり価格を押さえている印象ですが、その理由を聞くと、時計ファンへ捧げる熱い思いが。

「近年では技術の発達により当時の超ハイエンドブランド級の加工能力がなくても複雑な形状の削り出しが可能になりました。それにも関わらず、人気のスポーツスティールモデルは価格が落ちることなく、むしろ富裕層の圧倒的な支持を得て数百万円から一千万円以上の高価で販売されているものもあります。そこで弊社は“機械式の本格スポーツスティールウォッチをアンダー10万で実現させたい”という思いから、クラウドファンディングへの出店料もカットし、その分、お客様に満足いただける価格でクラシカルなスポーツウォッチを提供したいと実現しました」（カルレイモン）

　発売日（予約販売開始）は2023年9月25日（月）とのこと。ファンならずとも楽しみな一本になりそうです。

●製品詳細
・素材：ステンレススティール
・ケースサイズ：直径40mm、厚み9.8mm
・重さ：約145g
・ガラス：サファイアクリスタル反射防止コーティング
・ムーブメント：日本製機械式ムーブメントMIYOTA Cal.9015, MIYOTA Cal.9029
・防水性：5気圧