最新スタッドレスタイヤは氷の道でもなぜ止まる!? 進化する冬用タイヤを支えるヨコハマの開発拠点とは
屋内のアイスバーンで実車のコーナリングテストができる最新設備「屋内氷盤旋回試験場」
タイヤ開発の中でも、スタッドレスタイヤの実車実験部隊は苦労が多いといわれます。
筆者もタイヤのテストドライバーだった経歴があるのでそんな実体験をしています。当然ながら、実験期間は路面が雪や氷になる冬でなくてはなりません。そのため北海道のなかでも北の方にテストコースを設けているタイヤメーカーが多いのです。

ヨコハマの冬用テストコース、TTCH(北海道タイヤテストセンター)は、旭川空港からほど近いところにあります。
実はその前にも「T*MARY」と呼ぶヨコハマの冬用タイヤテストコースが北海道鷹栖町にありましたが、より広い環境でテストするために2015年12月に移設しました。TTCHは、T*MARYの4倍の敷地面積があります。
TTCHには以前から屋内氷盤試験場がありました。これは主にブレーキテスト用です。冬タイヤにとっては最重要課題のアイスバーンでのブレーキテストです。この氷盤試験場には2020年11月に、氷の表面温度をマイナス10度から0度にコントロールできる国内最大級の冷媒装置が設置されています。
そして2023年1月5日から稼働を始めたのが、屋内氷盤旋回試験場です。これは屋内のアイスバーンで実車のコーナリングテストができる場所です。

スタッドレスタイヤにとってブレーキ性能の次に重要なのが、安定性と曲がる性能です。新しい屋内氷盤旋回試験場のおかげで、縦方向のブレーキ性能、横方向のコーナリング性能のそれぞれのグリップ力を屋内でテストできるようになりました。
なぜ屋内でのテストが大事なのか、というと、テスト条件を一定にするためです。
気温の違い、氷温の違いによってゴムのグリップ性能が変わります。屋外では気温や風の影響、太陽の出方などで条件は変わります。比較テスト、とくに基礎的なテストをする場合は、条件が違っては正しい評価ができません。
実車での開発試験はハイスピードでのダイナミックな走りも評価しなくてはなりませんが、ブレーキ性能もコーナリング性能も屋内でテストできるようになったことは、これからさらにヨコハマのスタッドレスタイヤの基礎技術の開発がさらに進むことが期待できます。
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