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ケータハム新型「プロジェクトV」日本初公開 2025年にも市販予定の軽量スポーツカーってどんなクルマ?デザイナーに聞いた その魅力とは

来日したデザイナー A.ジャナレリ氏に話を聞いた

 このような高い実用性を備えたプロジェクトVは、コンセプトカー制作をイタリアのイタルデザインが担当しただけあって、コンセプトカーの完成度も高め。

 もちろん、製造を前提として、ケータハムでの開発が進められており、2025年後半から2026年前半に市場投入を予定しています。

東京オートサロン2024で日本初公開されたケータハム新型「プロジェクトV」のインテリア
東京オートサロン2024で日本初公開されたケータハム新型「プロジェクトV」のインテリア

 同車のデザインを指揮したのは、2023年5月にケータハムのチーフデザイナーに就任したアンソニー・ジャナレリさんです。

 ジャナレリさんは、ユニークな経歴を持つデザイナーで、そのキャリアをジュエリーデザインからスタート。その後、ヨット、家具、建築のデザインも手がけています。

 さらに中東初のスーパーカーメーカー「Wモータース」デザインディレクターとして、カーデザインに取り組んだことを皮切りに、自身のスポーツカーブランド「ジャナレリ」も立ち上げています。そして、プライベートでは、長年に渡り、ケータハムセブンの愛好家であり、ケータハムの魅力も熟知しています。彼に、プロジェクトVデザインについて聞きました。

ケータハムのチーフデザイナー、アンソニー・ジャナレリ氏
ケータハムのチーフデザイナー、アンソニー・ジャナレリ氏

Q:プロジェクトVのデザインの特徴を教えてください。

A:プロジェクトVのデザインは、ケータハムのポリシーであるシンプルさを重視したクーペスタイルを目指しました。EVを前提に開発されており、メカニズムのスペースの小ささを活かし、3人乗りもしくは4人乗りのキャビンが与えられています。その構造に相応しいデザインを構築しました。

そのボディフォルムは、3つのレイヤーに分かれています。上部は非常に滑らかでエレガントなフォルムでクラシカルなテイストに仕上げています。ボディサイドを中心とした中間は、とてもシャープに描きました。ラインを厳密に制御することで、モダンな印象を与えると共に、EVであることも示しています。そして下部のブラック仕上げのエアロは、動的な質感を印象付けます。

Q:デザインで注力されたポイントは?

A:ケータハムの哲学は、私のナチュラルなデザインスタイルに非常に近いものです。ケータハムセブンは、今も現役のヴィンテージカーであり、そのクラシカルな要素を盛り込むのは自然な流れでしょう。そして、私は「ジャナレリ」で手掛けたようなクラシカルなデザインを好みますが、その優雅さもデザイナーの個性のひとつとして引き継がれています。デザインを描く際は、顧客のことを一番大切にしますが、同時に少しだけ自分自身のためにも行います。思い入れがあるからこそ、技術も上達するからです。

Q:プロジェクトVデザインの注目点を教えてください。

A:ひとつはプロポーションの良さです。プロジェクトVは小さなクルマですが、とてもエレガントだと感じて貰えるでしょう。実は、これほど小さなクルマでエレガントなスタイルに仕上げることは、非常に難しいことなのです。次に各部のディテールにも目を向けてください。クルマ好きに興味を抱いていただける特徴が、各部に散りばめられていることに気が付いてもらえるでしょう。シンプルにいえば、クラシックなテイストと共に、モダンさやアグレッシブさを表現することで、音楽のようなコントラストを与えています。それがドラマチックなクルマだと感じさせる秘密なのです。

Q:EVのデザインは難しいものですか?

A:誤解を恐れずにいうならば、エンジン車に比べると簡単です。それはEVの内部構造がコンパクトなので、デザインの自由度が高いためです。同時に、それが難しい点でもあります。エンジンを搭載することを前提したクルマでは、構造がプロポーションを左右するので、プロジェクトVのような低いフォルムに仕上げることは不可能です。単にスポーツカーらしいフォルムではなく、EVのシャシーに張り付かせることで生まれた機能的なスタイルなのです。

Q:カーガイであると伺っておりますが、どんなクルマがお好きですか。

A:セブンに一目惚れしてから、12年ほど愛用しています。他に好きなクルマを挙げるならば、ランチア「ストラトス」ですね。当時の他車とは全く異なる存在だったからです。それ以外では、古いアルファロメオやランボルギーニ「エスパーダ」などタイムレスなデザインなクルマに惹かれます。そして、マルチェロ・ガンディーニやレオナルド・フィオラヴァンティ、ザガートが手掛けたクルマも好きですね。いずれもクラシックカーですが、当時のカーデザインは、制約が少なかったので、デザイナーが自由なデザインを手掛けており、独創的なクルマたちが生み出されました。そこに魅力を感じるのでしょう。

※ ※ ※

 ケータハムファンの一人でもあるジャナレリさんが手がけた「プロジェクトV」の価格は、生産地の英国で、8万ポンド(日本円で1500万円)未満を目指しています。

 ケータハムセブンの価格も高騰している今、使い勝手の良いライトウェイトスポーツEVスポーツであることを考慮すれば、かなり現実的な価格を目指していると言えそうです。

Gallery 【画像】2025年登場予定の軽量電動スポーツカー!ケータハム「プロジェクトV」を写真で見る(29枚)

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