レジェンドに代わる“ホンダの旗艦” 新型「アコード」公道での印象は? セダンなのにスポーツカー顔負け! 後席の快適性も好印象
日本国内で買えるFFラージセダンの貴重の選択肢
ホンダの「アコード」といえば、ある世代以上の人は“使いやすいサイズのセダン”をイメージすることでしょう。
また、その少し下の世代は、オシャレなワゴンとして1990年代にヒットした「アコードワゴン」を思い浮かべるかもしれません。なかには、「アコードエアロデッキ」や「アコードクーペ」をイメージするマニアックな人もいるかもしれませんね。

そんな多彩な顔を持つ「アコード」ですが、“令和の「アコード」”はそれらとは立ち位置が全く異なります。
まず挙げられるのがサイズの違い。かつての「アコード」は手頃なサイズのセダンでしたが、今では全長5mに迫るラージセダンに成長しています。
最大のマーケットとなっている北米では、“ゆったり乗れるベーシックセダン”として2023年に年間約20万台を販売する大人気モデルに。一方、中国やタイといったアジア諸国では“先進装備や快適装備を搭載したホンダのフラッグシップセダン”の新種として好評を博しています。
グローバルモデルとしてホンダの屋台骨を支える「アコード」はボディこそ世界共通ですが、その中身であるパワートレインや装備の充実度、そしてユーザー層の違いからくるキャラクターは、仕向け地によってふたつに大別されているといってもいいでしょう。
日本仕様のポジショニングは後者。北米仕様のようにボディサイズこそ大きいものの装備を控えめにしたリーズナブルなセダン、ではなく、上級装備と先進技術を惜しみなく搭載したホンダのフラッグセダンという位置づけです。
ちなみに、日本において「アコード」のポジショニングが変化した背景には、ホンダのラインナップで最上級セダンとして君臨していた「レジェンド」の発売中止という事実も大きく影響しているのでしょう。
さて、そんな「アコード」がフルモデルチェンジを受けて新型へと進化しました。
車体の成り立ちは、プラットフォームや車体の基本骨格を先代のブラッシュアップ版とする一方、デザインは大きく刷新。リアウインドウを大きく寝かせたクーペライクなフォルムが特徴です。
同様に、パワーユニットも新しくなりました。日本仕様は従来モデルと同様、“e:HEV(イーエイチイーブイ)”と呼ばれるハイブリッドのみの設定ですが、その中身が刷新されています。
エンジンは2リッターの自然吸気という形式こそ従来と同じですが、新たに直噴化して効率をアップ。そこへ新開発のモーター内蔵電気式CVTを組み合わせ、燃費とドライバビリティを高めています。
実車に触れて実感したのはリアシートの快適性。とにかく後席乗員のために割かれているスペースが広いのです。
リアシートに座る人のヒザと前席背もたれ背面との間隔は、その大きさに誰もが驚くはず。ラージサイズかつエンジン横置きレイアウトのFFセダンというパッケージングの真骨頂を感じさせてくれます。
同クラスのライバルであるトヨタ「カムリ」が日本仕様の販売を止め、「マツダ6」も2024年4月中旬に日本仕様の生産を終了することになった今、リアシートの乗員もゆったりとくつろぎながら移動できる適度なサイズのセダンといえば、新型「アコード」以外に有力な選択肢はありません。
というよりも、気づけば日本国内で買えるFFラージセダンは、プレミアムブランドであるレクサスの「ES」を除くと、新型「アコード」だけという状況になりました。
●シャシー性能の高さを感じさせる高速性能
そんな新型「アコード」で高速道路の120km/h区間を走って実感したのは、高速走行時の優れたゆったり感と安定感です。
安定感と直進性が抜群で、いわゆる“速度感のない乗り味”。走行中も車体姿勢は安定しており、不快な振動や音もないので運転していて楽なのです。長時間移動時も疲労感は少ないことでしょう。
新型「アコード」のそうした乗り味は、長いホイールベースや低い車高による重心の低さ、そして横風の影響も受けにくいというパッケージングの効果もありますが、単にそれだけではないシャシーのポテンシャルの高さを感じさせます。
そして、ステアリングの操作フィールも含めて機敏過ぎず、それでいて“おっとり”しすぎていない絶妙なバランスの乗り味は好印象。もちろん、リアシートの乗員も快適に移動できるのはいうまでもありません。
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