日本で初開催された「フォーミュラE」は大盛況で終了 なぜ成功!? 東京の公道を走ったレースの魅力と今後の課題とは
都心からすぐ近く アクセスも良い場所での開催 今後の課題は?
私は決勝レースを観客席から取材しましたが、私の周囲に腰掛けていた20〜30代と思しきファンの方々は誰かがアタックを仕掛けたり、緊迫したサイド・バイ・サイドが行われるたびに大歓声を挙げ、大いにレースを楽しんでいるようでした。
ちなみに、8000席とも1万席ともいわれた観戦席は、1月と3月の2回にわけて販売されましたが、2回とも販売開始からわずか数分で売り切れたとのこと。これもまた、フォーミュラE東京大会が成功裏に終わったことを示す証拠といえるでしょう。
そうした、ある種の“熱気”が主催者や開催地である東京都にも伝わったらしく、両者は今後5年間の開催に関する契約書にサインしたとの噂を耳にしました。つまり、関係者は本大会を成功と捉えているのです。

私も、ビジネス視点でいえば、今回のフォーミュラEは大成功だったと考えています。
なにしろ、先ほど申し上げた8000席ないし1万席のチケットは、その大半がフォーミュラEに参戦する自動車メーカーなどによって買い占められたそうです。シリーズにとって最大のスポンサーでもある自動車メーカーがここまで強い関心を示したことは、とにもかくにもレースが成功だったことを意味しています。
このため、来年は観客席を増設して3万人程度の来場を見込む計画もすでに浮上しているようです。
さらには、すでにワークスチームを率いてフォーミュラEに参戦している日産に加え、ヤマハ発動機がイギリスの名門レーシングコンストラクターであるローラと手を組み、フォーミュラEに出場するチームに電動パワートレインを供給する計画が明らかになりました。
今後も日本企業がフォーミュラEとの関わりをさらに深めていく可能性は決して小さくないように思います。
私は、既存のモータースポーツとはまったく異なるフォーミュラEが成功を収めることは、自動車産業のためにもモータースポーツ界全般にとっても好ましいことだと受け止めています。なぜなら、それはファン層の拡大に確実に役立つからです。

※ ※ ※
いっぽうで、心配もあります。
有明に作られたコースは安全性こそ高いものの、追い抜きは極めて難しいようで、決勝レース中のオーバーテイクは数えるほどしか見られませんでした。
初開催となった今回はこれでもいいかもしれませんが、同じようなレースが2度、3度と続けば、観客から飽きられる可能性も低くないように思います。できれば、現状の安全性を維持しながら、もう少しオーバーテイクがしやすいコースに改修することを期待したいところです。
また、チケット販売を自動車メーカーなどの“まとめ買い”に頼らず、ひとりひとりのファンに購入してもらうためには、事前の告知をもっと充実させる必要があると思います。
ちなみに、フォーミュラEが開催されるとの広告を事前にご覧になった方は、どのくらいいらっしゃったのでしょうか? 私は、ごくわずかだったのではないかと想像しています。それくらい事前の告知は不足していたというのが私の見方です。
東京ビッグサイトの建物とレーシングコースを隣接するように設けたレイアウトには感心させられましたが、会場内の案内が不十分だったことは気になりました。どこでチケットを手に入れて、どこに向かえば観客席やパドックがあるのか。そういう案内が、コースのすぐ近くまでこないと見つからないことは大きな問題だと思います。
いずれにせよ、都心からすぐ近くの、地下鉄でアクセスできる会場でレースを観戦できるフォーミュラEは大きな可能性を秘めたレースイベントです。東京都を始めとする関係者の方々には、その可能性を生かし、フォーミュラE東京大会を立派なイベントに育て上げていただきたいものです。
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