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コレクションモデルとして注目の「ブラックシリーズ」とは

 それではオークションに出品された2台のSLS AMGを見てみよう。まずは2012年式のモデルから。

 年式を考えれば十分に納得できるコンディションを持つモデルであるのは確かだが、やはり5万マイル(約8万km)に迫る走行距離が敬遠されたことが、売買が成立しなかった理由のひとつだろう。

●2012年式 メルセデス・ベンツ「SLS AMG」

  • エンジンルームのアルミ部分の錆など、実際に使われていたということが伝わってくる個体。年式なりのコンディションではある

 ただし、装備内容は十分に魅力的だ。当時オプションで用意されていたフロント19インチ、リア20インチのホイールと、メルセデスAMG専用のシルバーメタリック色、AMGアルビームとの組み合わせも魅力的だし(いずれもオプション)、キャビンはフルカーボントリムでスポーティな雰囲気に包まれている。

 RMサザビーズは、このSLS AMGを13万7500ドル(邦貨換算約1460万円)で販売することを、オーナーとの話し合いで決定したという。はたしてそれは高いのか安いのか。微妙な指値を提案してくるあたり、さすがはRMサザビーズだ。

●2014年式 メルセデス・ベンツ「SLS AMGブラックシリーズ」

  • 3人のオーナーのもとを経ている個体だが、コレクションとして所有されていたということが分かるローマイレージと素晴らしいコンディションだ

 一方の2014年式「SLS AMGブラックシリーズ」は、搭載されるV型8気筒エンジンが631psにまで強化された限定車で、わずかに4000km以下の走行距離は、ほぼ新車といってもよいくらいの一台である。

 メルセデスAMG、あるいはメルセデス・ベンツのコレクターには見逃せない一台だろう。

 SLS AMGは、2009年から2014年まで生産された。「ロードスター」や「E-Cell」など、さまざまなモデルが生産されたが、このブラックシリーズはそれらの頂点に位置するモデルだ。

 エンジンの強化に対応して、専用のダンパーや50%も強化されたスプリング、前後トレッドの拡大、重心を下げるためにギアボックスの搭載位置をさらに10mm低下させるなど、ブラックシリーズではさまざまな策が講じられた。

 エクステリアではカーボンファイバーのフロントスプリッター、サイドスカート、固定式のリアウイング、インテリアではアルカンターラやカーボン、レーシングバケットシートなど、スパルタンな雰囲気がさらに強調されている。こうした結果として、ウエイトは標準モデルから70kgも軽減された。

 さらにバング&オルフセンのオーディオシステムまで装備されたSLS AMGブラックシリーズは、今回のオークションの主役級に近い存在だったのかもしれない。

 落札価格は40万7000ドル(邦貨換算約4300万円)。そもそもの予想落札価格が40万ドルだったから、ほぼ予想どおりの結果だったことが分かる。

Gallery【画像】入手できるときに手に入れておきたい「SLS AMG」とは(19枚)

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