悪路に強いレクサスの「ミッドサイズSUV」オンロードでの印象は? 新型「NXオーバートレイル」は“味磨き活動”の成果を実感できる良品です
もっといいレクサスになるための“レシピ”が見つかった
先日、筆者は、レクサス“味磨き活動”の効果を体感するために、最上級サルーンである「LS」に上記4点の剛性アップを施した検討車両(サスペンションは変更なし)に特別に試乗することができました。

結論からいうと、その印象は「これまでの改良は一体なんだったの?」と思うほどの伸び代でした。
率直にいって、なめらかで精緻な操作フィールと路面をヌメっととらえるしなやかな足の動きを備えた“プレミアムサルーン”の魅力と、クルマが小さく軽く感じる一体感と手の内感を味わわせてくれる“スポーティセダン”の美点とが、高次元で両立されていたのです。
あまりの激変ぶりに、試乗後、エンジニアに対して「これは今すぐ出すべきです!!」と、思わず声を張り上げてしまったのでした(笑)。
レクサスが目指す“走り”についてテストドライバーである“LEXUS TAKUMI”の尾崎修一氏に話を聞くと、
「やはり、雑味を取り除いて本質を追求する“すっきり”と、人に依らず、路面を選ばず、環境を問わない懐の深さを感じられる“奥深い”走りを突き詰めることだと思っています」
と、教えてくれました。
実はこれまでも、レクサスは“すっきりと奥深い”走り味を目指していたのですが、いざ乗ってみると、それはどこか抽象的でした。しかし今回、検討車に試乗していて、彼らが目指す走りの味がより明瞭かつ分かりやすくなったな、と思いました。
とはいえ、これらの剛性アップをおこなうためには、車両の大改修が必要となるのも事実。ただし、これらのアイデアをできるだけ早く盛り込みたいというエンジニアたちの思いから、新型「NX」には既販車ながら、比較的導入しやすいフロント/リアの剛性アップを施した…‥…というわけです。
ちなみに、これらアイテムは今回試乗した新型「NX」だけでなく、大幅改良された新型「UX」やラグジュアリームーバーの「LM」、さらにはリアルオフローダーの「GX」にも採用済みとのこと。
コンパクトSUV、ミニバン、ボディオンフレームのラージSUVと車種は多種多様というかバラバラですが、ドライブしてみて同じ走行フィールを感じられたのは、上記の剛性アップメニューに秘密があったのです。
口が悪い人はレクサスのことを「デラックストヨタ」や「キャラがブレブレ」などと揶揄しますが、今回分かったことは「もっといいレクサスになるための“レシピ”を見つけ出した」ということです。
* * *
このようにレクサスは、未来に向けて確実に変わり始めています。
トヨタ自動車の佐藤恒治社長は、「レクサスは2026年に次世代電気自動車を投入予定」と公言しています。
このモデルは、さまざまな技術を含め、電気自動車のゲームチェンジャーとなり得る存在だと聞いていますが、乗り味や走り味についても期待していいでしょう。
page
- 1
 - 2
 
VAGUEからのオススメ
                                マザー・オブ・パールが詩情豊かに輝く――大人の夜を彩るブローバ「マリンスター」日本限定モデルの魅力とは【PR】