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日産の高級SUV「パトロール」は“GT-Rに代わるフラッグシップ”になれる逸材! 走りの完成度は超一流!! なぜ日本で売らないの?

“ランクル”の比ではない存在感を放つ新型「パトロール」

 素晴らしいのは、期待を裏切らない悪路走破性と超高速域での高いスタビリティ、そして快適な乗り心地。残念なのは、日本に住む我々には手の届かない存在だということ……。それがサウジアラビアで試乗した日産「パトロール」の印象です。

日産「パトロール」
日産「パトロール」

「パトロール」と聞いても、ピンとこない人も多いことでしょう。「パトロール」はかつて「サファリ」の名で日本でも販売されていたクロスカントリーSUVの海外名。誕生当初は日本でも「パトロール」の名で販売され、後に「サファリ」へと改名されました。

 日本向け「サファリ」は2002年に販売が終了してしまいましたが、中東など海外市場では継続販売されていて、昨2024年には14年ぶりに新型がデビューしています。

 新型「パトロール」を前にしてまず印象的だったのは、なんといっても車体の大きさ。「サファリ」といえば、ライバルはトヨタ「ランドクルーザー」というイメージを持つ人も多いでしょうが、全長5350mm、全幅2030mmという新型「パトロール」のボディは「ランドクルーザー300」(全長4985mm、全幅1980mm)よりひと回り大きく、“ランクル”の比ではない存在感を放ちます。

 そう考えると、新型「パトロール」のガチのライバルは、シボレー「タホ」やキャデラック「エスカレード」といったフルサイズのアメリカンSUVなのかもしれません。

 この大柄なボディは、北米市場をにらんでのものでもあります。新型「パトロール」は現地で日産「アルマーダ」として展開されるほか、ラグジュアリー仕様であるインフィニティ「QX80」のベース車にもなっています。それらはライバルである「タホ」や「エスカレード」との真っ向勝負を強いられるわけです。

 また中東においても、“ランクル300”より大きくて見栄えがよく、キャビンも広いというアドバンテージを打ち出せている模様。中東では車体の大きさと室内の広さは正義であり、それらを重視する人に対しては“ランクル300”よりも優位に立てているわけです。

 ちなみに、中東における「パトロール」はファンが多く存在し、確実に売れる存在。彼の地では、“ランクル300”が日本におけるホンダ「N-BOX」くらいの感覚で街中を頻繁に走っていますが、「パトロール」もかなりの頻度で見かける人気車種となっています。

 インテリアの雰囲気も“ランクル300”とは方向性が異なります。ダッシュボードを始め、オフローダーの王道ともいえる安定感あふれる仕立ての“ランクル300”に対し、新型「パトロール」のインテリア、特に上位グレードのダッシュボードは、14.3インチのディスプレイがふたつ並ぶなど先進的かつ上質で、華やかな印象です。

日産「パトロール」
日産「パトロール」

 特に今回試乗した最上級グレードは、お世辞抜きにレクサスと同等レベルのラグジュアリー感。日産のフラッグシップSUVとしてインテリアも高級感を追求するという熱意が伝わってきます。

 そんなキャビンには、ユニークな快適機能が備わっています。それは、赤外線センサーで乗員の体温を検知し、温度と風量を自動で調整して快適な車内環境をキープするエアコン“バイオメトリック クーリング”。中東やオセアニアなど、新型「パトロール」が投入される暑い国々で喜ばれる装備でしょう。

Next悪路走破性と超高速域での安定感をハイレベルで両立
Gallery 【画像】「えっ!…」GT-Rに代わるイメージリーダーになれる! これが日産の高級SUV新型「パトロール」です(30枚以上)

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