“史上最強のディフェンダー”の走りはどう? 新型「ディフェンダー・オクタ」 舗装路から砂地まで あらゆる路面で実感したパフォーマンスとは
6Dダイナミック・サスペンションでオフロードでも疲れ知らず
ちょっとタイヤの話が長くなってしまいましたが、そのおかげでダートでの高速走行では優れた安定性と安心感が得られたほか、岩場でもソフトな砂地でもトラクション性能が不足することは皆無で、いとも簡単に走り抜けられました。

それにも増して驚いたのが、1日にオフロードを中心に300km以上も走り続けたのに、肉体的な疲労がほとんどなかったこと。
おそらく、一般的なクロスカントリーSUVで同じことをしたら、1日目の終わりにはヘトヘトになっていたはずです。
ディフェンダーOCTAが疲れにくい理由のひとつは、レンジローバースポーツのフラッグシップモデルである「SV」に続いて搭載された「6Dダイナミック・サスペンション」にあります。
これは前後左右のダンパーを油圧的に連結することで、アンチロールバーなどを使うことなく、車体を水平な姿勢に保つために開発されたサスペンション。ダンパー自体がクルマをフラットな姿勢に保つため、サスペンション・スプリングを必要以上に固める必要がなく、結果的に快適な乗り心地をもたらしてくれるのです。
同じ6Dダイナミック・サスペンションでも、レンジローバースポーツSVではオンロード性能をさらに引き上げるために用いられましたが、ディフェンダーOCTAではよりソフトな足回りとして険しい路面にも4輪を的確に追従させることで優れたオフロード性能を実現したといいます。
ディフェンダーOCTAの開発を指揮したエンジニアのコーリン・カークパトリック氏によれば、本格クロスカントリーSUVには珍しいモノコックボディを採用したことが疲れにくさにつながっているとのことです。というのも、フレームを別体で持つSUVに比べると、モノコックボディーは振動を遮断するのに有利で、これが乗員を疲れさせないようにする効果に結びついているというのです。
いっぽうで、本格的なオフロード走行をするにはモノコックボディは強度面で不利と信じるファンも少なくありませんが、試乗車のディフェンダーOCTAは、あれだけ激しい走行を連日繰り返しながらも、インテリアがガタピシするようなことは皆無だっただけでなく、2週間の国際試乗会中に問題を起こしたこともなかったといいます。
ちなみにディフェンダーOCTAの開発に際しては通算100万km以上のテスト走行を行ったとか。それだけに、彼らは製品の耐久性と信頼性に絶対の自信を持っているのでしょう。
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前後のトレッドを拡大して迫力あるプロポーションを実現したほか、内外装の各所にカーボンコンポジットを用いるなどしてプレミアム感を高めたディフェンダーOCTAは、標準仕様が2037万円、エディション・ワンが2224万円と高価ですが、合計220台が販売される日本市場向けはどうやら完売の模様。
もっとも、2026年モデルのディフェンダーにもOCTAは設定される模様なので、興味をお持ちの方はもうしばらくお待ちになることをお勧めします。
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