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スバルの“ストロングハイブリッド”は雪道にも強い? 燃費・加速力・快適性がアップした新型「クロストレックS:HEV」の真価と独自性とは

“ストロングハイブリッド”は燃費・加速力・快適性がアップ

 日本市場向けのスバル車としては初めて“フルハイブリッド”モデルとして誕生した「クロストレックS:HEV」で雪道を走ってきました。すべりやすい過酷な路面状況を走ることで、このモデルの実力とスバル車の魅力を改めて実感することができました。

スバル「クロストレック プレミアムS:HEV EX」
スバル「クロストレック プレミアムS:HEV EX」

「クロストレックS:HEV」に搭載される“S:HEV”とは、“ストロングハイブリッド”の略。強力なモーターを組み合わせたハイブリッド車を意味しています。

 スバルはこれまでもハイブリッド車をラインナップしていましたが、日本市場向けのそれらはすべて、モーターがそれほど力強くないタイプ、いわゆる“マイルドハイブリッド”でした。

 いっぽう“S:HEV”は、強力なモーターを組み合わせ、エンジンを止めたまま走れる範囲が広いのが特徴。つまり、それだけ省燃費を期待できるハイブリッドというわけです。

 とはいえ、スバルにとって初の“フルハイブリッド”となった「クロストレックS:HEV」は、単に燃費のよさだけを求めたクルマではありません。

 例えばエンジン。“マイルドハイブリッド”を搭載する「クロストレック」は2リッターを搭載していますが、“S:HEV”は2.5リッターとひと回り大きくなっています。その結果、力強いモーターと合わせて加速が鋭くなっているのです。

 また、航続距離もアップ。一度燃料を満タンにすると、給油せずに1000km以上のドライブも可能となっています(カタログに記載されるWLTCモードで計算すれば最長1190km走行可能)。これは“フルハイブリッド”化による約2割の燃費向上に加え、燃料タンクの大型化(“マイルドハイブリッド”の48リットルに対して63リットルへと拡大)も効いています。

 さらに、快適性も向上。エンジン停止中でも作動する電動エアコンの採用や、よりストロークするサスペンションの採用による乗り心地の向上など“S:HEV専用のアイテムが効いています。スバル車としては初めて、1500Wまで使える大容量のAC100Vコンセントを装着できるようになったのもうれしいポイントですね、

 加えて、上級グレードの「クロストレック プレミアムS:HEV EX」は、12.3インチのフル液晶メーターパネルやスバル最高峰の運転支援システム“アイサイトX”など、これまで「クロストレック」には採用されていなかったアイテムも装備。それらは、「レヴォーグ」など上級モデル向けの装備が展開されたものですが、“アイサイトX”によるハンズオフ機能で高速道路の渋滞時(50km/h以下の移動)にステアリングから手を離しての移動できるのは、本当に便利です。

 そんな「クロストレックS:HEV」に組み込まれるハイブリッドシステムは、トヨタ式のそれがベースになっていることをご存じのクルマ好きも多いことでしょう。システムの概念やモーターなどはトヨタの“シリーズパラレル式ハイブリッド”(旧名称“THS”)を活用して“S:HEV”を成立させています。

スバル「クロストレック プレミアムS:HEV EX」
スバル「クロストレック プレミアムS:HEV EX」

 しかしスバルの“S:HEV”は、トヨタのパワートレインをそのまま流用しているわけではありません。メカニズム面でトヨタのそれと異なっている部分があるのです。

 その一例がエンジン。もちろんエンジンはトヨタ製ではなく水平対向を採用。しかもそれを、横向きでなく縦置きに搭載しています。この時点で、スバルのアイデンティティは貫かれているのです。

 さらに駆動系。「プリウス」などトヨタの前輪駆動車ベースのハイブリッド車は、後輪をモーターだけで駆動する“E-Four(電気式4WD)”を採用するのに対し、スバル(現時点で“フルハイブリッド”車は全モデル4WD)はエンジンから直結するドライブシャフトで後輪を駆動する機械式4WDを採用しています。これも、スバルらしさにこだわった部分といっていいでしょう。

 ちなみに、トランスミッションに代わるトランスアクスルはスバルオリジナルで、“S:HEV”向けに新設計されています。

 ちなみに、スバルが今回採用した前後輪をシャフトでつなぐ機械式4WDは、電気式4WDに対してどんなメリットがあるのでしょう? 「運転感覚が自然だから」という人もいるでしょうが、それは半分正解で半分は不正解。

 確かに電気式4WDは、制御をきっちりおこなわないと挙動やハンドリングが乱れる原因になります。しかし最新モデルでは、電気式4WDでも素晴らしい走りを体験できます。今では「電気式だからよくない」なんて評価を下すクルマなどありません。

 その上で、スバルが機械式4WDのメリットとして挙げるのは、まず、すべりやすい冬の道でも回生エネルギーをより多く回収できること。スバルの“S:HEV”は、凍結路などでの減速時におけるエネルギー回収量が、前輪駆動モデル(実際にはないけれど想定として)に対して30%多いだけでなく、後輪をモーターで駆動する電気式4WDより多いと説明。つまり、回生効率が良化するといいます。これは「シャフトで前後輪がつながっているため、車体が安定性を保ったまま全車輪の限界域までエネルギーを回生できるから」だといいます。

 さらにスバルのエンジニアは、「スタックした際の脱出時にも機械式4WDは有効」と教えてくれました。前後輪がシャフトでつながっているスバル“S:HEV”の4WDシステムは、理論的には1輪にすべての出力を伝えることができます(さすがに舗装路で1輪にフルパワーをかけるとシャフトが折れますが……)。しかし、電気式4WDはそうすることができません。その駆動輪にあてがわれたモーター以上の出力を出せないからです。

 例えば、すべりやすい路面で3輪が空転してしまい、路面へ力を伝達できるのは1輪だけ、という場面。そんなときにしっかりと力をかけて前へ進めるのは、機械式4WDならでは、というわけです。万一、スタックした際の脱出時には、その性能がものをいうのです。

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