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氷上でも異次元の走り!? メルセデス・ベンツ新型「CLAプロトタイプ」が見せた“新世代”4ドアクーペの実力とは

北極圏で最終テスト中のCLAに試乗

 独メルセデス・ベンツは2025年2月末、スウェーデン・アリエプローグで、限られたジャーナリスト向けに新型「CLAプロトタイプ」の試乗会を開催しました。

メルセデス・ベンツ新型「CLAプロトタイプ」と「CLA」
メルセデス・ベンツ新型「CLAプロトタイプ」と「CLA」

 アリエプローグは、スウェーデンの北極圏に位置する極寒の街で、メルセデス・ベンツ最大の寒冷地テスト施設が置かれています。毎年数百人のエンジニアがここに集まり、開発中のプロトタイプを持ち込んで、寒冷地テストを行っている場所です。今回は、量産開始に向けて極めて厳しい環境下で最終テストを行っているタイミングで、その走りを体験することができました。

 日中でも太陽が低い位置にしか昇らない、薄暗い光の中で、最終テストは行われていました。私は日本では2025年末に発売となる予定の3代目CLAのプロトタイプのコクピットに乗り込みました。

 まもなく発表するというタイミングだったにも関わらず、プロトタイプはカモフラージュが施されていました。しかし、4ドアクーペのシルエットは、初代モデル以来の伝統を継承し、さらに、ビジョンCLAコンセプトから取り入れられた要素により、メルセデス・ベンツ史上最もエアロダイナミクスに優れたモデルのひとつとなっています。カモフラージュの下には、新しい星型のヘッドランプとテールランプのデザインがうかがえ、全車標準装備となる大型のガラスルーフも、初めて確認できました。

 ホテルからテストコースまでの道のりも、カチカチに凍っていましたが、CLAは驚くほどスムーズで、トラクションコントロールやESPの介入はまるで感じられませんでした。

 新型CLAは、メルセデスの新開発プラットフォーム「MMA」を初めて採用したモデルです。「エレクトリック・ファースト(電動化優先)」を掲げて開発されたこのモジュラー・アーキテクチャは、後輪駆動の電動パワートレインと、前輪駆動のICEパワートレインの双方をサポートし、どちらも4WDの選択肢も可能です。今回はBEVモデルに試乗することができました。

メルセデス・ベンツ「CLAプロトタイプ」
メルセデス・ベンツ「CLAプロトタイプ」

 新型CLAの電動モデルは、メルセデスの最新eアクスルであるeATS 2.0パワートレインが採用され、リアアクスルに同期式電気モーターに2速ギアボックスが組み合わされています。今回試乗した4マチックモデルには、フロントアクスルにも同期式モーターが追加され、システム合計で353馬力(260kW)を発揮します。トップモデルの「CLA300 EQ 4マチック」は、現行「A35 4マチック」より47馬力(35kW)も出力が向上していて、最高速度は210km/hに達します。またフロントの駆動力が不要なときには「DCU(ディスコネクトユニット)」が、モーターを切り離し、エネルギー消費を抑えて航続距離を伸ばします。

 私は助手席にメルセデス・ベンツのコンパクトカーラインのチーフエンジニアであるアレックス・ハイクス氏を乗せて、巨大なスキッドサークルやハンドリングコース、長い直線コースなどが用意された氷上テストコースへ入りました。

 まずは「C174」のコードネームを持つ電動モデルで走行しました。まず驚かされたのはステアリング操作に対する挙動です。極めて路面μが低い状況でありながら、切った分だけ素直に車体が向きを変えていきます。スキッドサークルでは、スピードを上げながらスロットルとステアリングをバランスさせていくと、簡単にコントロールされたドリフト状態にすることが可能です。ESPも作動していますが、介入はとてもシームレスで、ドライバビリティを悪化させることはありません。

NextBEVの完成度を極限環境で証明
Gallery 【画像】異次元の走りはここから生まれる! カモフラージュ姿の「CLAプロトタイプ」と新型「CLA」を写真で見る(61枚)

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