マセラティが初代と最新型の「美しいオープンカー」を展示! より軽い負担でクラシックモデルを所有できる「日本独自の新プログラム」とは?
ジウジアーロ氏が手がけた初代「ギブリスパイダー」を展示
クラシックカーを中心とした自動車文化を愉しむイベント「オートモビルカウンシル2025」において、イタリアのラグジュアリースポーツカーブランド・マセラティは新旧2台のオープンカーを展示しました。

クラシックモデルは、1966年に登場した2シーターモデルの初代「ギブリ」をベースとするオープン仕様「ギブリスパイダー」。
その流麗かつ美しい、刺激的なスタイリングを手がけたのは、今回のイベントのスペシャルゲストとして来日していたジョルジョット・ジウジアーロ氏。当時、チーフデザイナーとして迎えられたギア社での初期の作品として知られています。
初代「ギブリ」は1966年から1973年まで製造されましたが、オープン仕様である「ギブリスパイダー」の登場は1969年から。さらにその生産台数は125台と、「ギブリ」シリーズの中でも限られた貴重な存在です。
リトラクタブルヘッドライトを採用したシャープなフロントマスク、シャープなリアデッキの下から突き出したテールパイプなど、各部に特徴的なデザインを採用。シャンパンゴールドのボディカラーとグリーンの内装色というクールなコーディネートも、往年のハードボイルドな香り漂うマセラティのイメージにピッタリです。
マセラティブースを彩ったもう1台は、現代版のスパイダーともいうべき「グランカブリオ」。
日本では、昨2024年7月に発表されたばかりのモデルで、クーペ版である「グラントゥーリズモ」とメカニズムを共有していますが、オープン時の開放感にあふれる2+2のインテリアや専用デッキスタイル、ソフトトップならではの優雅さなどは、オープン仕様だけの魅力となっています。
最新世代となる「グランカブリオ」は、クーペ版と同じく3リッターのV6ツインターボエンジンを搭載。そのスペックは最高出力490ps、最大トルク600Nmで、潤沢なパワーをしっかりと路面へ伝えるべく、4WDシステムが与えられているのもトピックのひとつです。
●歴史的価値のあるクラシック・マセラティの維持をサポート
「オートモビルカウンシル2025」の会場では、マセラティジャパンによるクラシックカー向けの新たな取り組みも発表されました。そのひとつが「マセラティクラシケ」の認定書発行プログラムをここ日本でも実施することです。
「マセラティクラシケ」とは、マセラティのクラシックカーを保存、修復、正当性を認証するためのヘリテージプログラムで、2021年よりスタートしたもの。歴史的なモデルの正当性を審査・認証するのに加え、スペアパーツの再生産や車両レストアのサポートといったサービスをおこなっています。
このうち認定制度は、車両のオリジナル度や各部の状態を審査することで、マセラティのクラシックカーとしての価値にお墨つきを与えるもの。2022年以降、日本からは、1968年式「ギブリ4.7クーペ」を含む80台以上の車両に認定書が発行されているそうです。
ただし認定書の審査は、これまで最終的にイタリア・モデナにあるマセラティ本社に実車を送り、そこで検査を受ける必要がありました。そのため日本に住むオーナーにとっては、時間とコストの負担に加え、愛車を日本とイタリアを往復させなくてはならないという輸送時のリスクが伴うことが大きな課題となっていました。
マセラティジャパンはその解決策として、オーナーの大切な愛車の認定作業を国内でおこなえるよう準備を進めてきました。その初回の申し込みがいよいよスタートするのです。
初回審査では、最大8台の作業を予定。書類審査を通過した車両をイタリアより招いた「マセラティクラシケ」の担当者とともに、日本の施設でチェックすることになります。
もうひとつの取り組みは、より多くのクラシックなマセラティ車オーナーにとって重要となるサービスといえそうな、マセラティ社のアーカイブからの愛車に関する資料の提供です。
これは、自身の愛車の基本データに加えて、注文から出荷までの情報が提供されるもの。時代によって内容に違いはあるものの、具体的には、生産証明書、注文書類、車両テスト資料、技術データ資料、ラインオフ確認書類、工場出荷書類などが含まれています。
それらはいわば、愛車の出生証明書といえるものだけに、近年、クラシックなマセラティを手にしたオーナーにとってはとても興味深いものだといえます。
いずれの申し込みもマセラティジャパンの公式サイトからとなり、2025年6月1日~30日までの期間限定で受けつけるとしています。
これら「マセラティクラシケ」に関するサポートについて、マセラティジャパンの代表取締役である木村隆之さんは次のように話します。
「認証制度への需要がどのくらいあるかは不透明なので、初回は期間と台数を限定しました。日本にあるマセラティのクラシックカーは状態がよく、オリジナル度の高いものが多い上に、オーナーさんも歴史的価値のあるクルマを後世に残したいと願っています。そのため、「マセラティクラシケ」の認定制度が皆さんの愛車の価値を証明することで、次世代にバトンをつないでいくことに貢献できればと考えました。
一方、マセラティ社のアーカイブ情報の提供は、価格も手頃なもの。オーナーならだれでも愛車のことを知りたいでしょうから、ぜひ利用していただきたいと思っています。私自身も1998年式『ギブリ』のオーナーなので、申し込むことを決めています」
「マセラティクラシケ」の認定は、イタリアでの認証制度の料金が4500ユーロほど。これまでは、さらに国内外での輸送費などが加算されていましたが、日本国内で検査をおこなえるようになるとオーナーの負担はグッと軽減できるといいます。
またアーカイブデータは、情報により価格が変化するといいますが、2万円〜3万円で得られるものだそうです。手頃なだけでなく資料を読み込む時間はクルマ好きにとって至福のひとときとなることでしょう。
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