80年代の日産は攻めていた!? “白い稲妻”の3代目「シルビア」と“未来から大股”の初代「ガゼール」の強烈すぎるCMとは
CMの中で異彩を放った“未来から大股”
この広告という点から見ると、3代目シルビアと同時期に登場した姉妹車の初代ガゼール(TVドラマの西部警察向けに用意された特別仕立てのフルオープン仕様も有名ですね)の方が印象的かもしれません。

キャッチコピーは「未来から大股でやってきた」。今にして思うと日産のキャッチコピーには個性的なものが多いのですが、個人的には「大股」という直截的すぎる表現に当時から違和感を覚えた記憶があります。
また、シルビアとの差別化を図る狙いからガゼールには華やかさを増す装備も用意されていたのですが、“未来から~”と言うわりにはポンティアック「ファイアバード」をパ……失礼、オマージュしたかのようなボンネット/トランクリッドデカールがオプション設定されていたりと、独自性を出す意味で苦心していたところも見受けられます。
とはいえ、この3代目シルビア&初代ガゼールはスペシャルティカーとして大ヒット。2代目ではトヨタ「セリカ」に遠く及ばなかった販売実績も、その牙城に迫るものとなりました。今にして思うと、トヨタが2代目セリカのマイナーチェンジで敵意むき出しの広告を作ったのは、その攻勢を予感したが故の結果だったのかもしれません。
また、当時は自他ともに認めるトヨタのライバルだった日産も、その挑発に中身で応えました。1981年にはシリーズ初の高性能版として1.8リッターターボエンジンを搭載。翌年には4バルブヘッドの2リッターDOHCエンジンまで用意するなど、以前流行ったTVドラマ流に言えば「倍返し」で逆襲するのです。
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