80年代の日産は攻めていた!? “白い稲妻”の3代目「シルビア」と“未来から大股”の初代「ガゼール」の強烈すぎるCMとは
“攻めの装備”で時代をリードした3代目シルビア
CMを通じて日本車がもっとも勢いのあった時代を振り返るコラム。今回は1979年登場の3代目「シルビア」と初代「ガゼール」の個性的なCM表現と、その背景を探ります。

3代目シルビアがデビューしたのは1979年3月。後年、「ハマグリ」の愛称でも親しまれる2代目と比較すると、直線基調に変身したスタイリングはアメリカ車的な華やぎを感じさせるスタイリッシュな出来映え。当時はまだ小遣いで買った専門誌を眺めるだけだったワタシも、そのシャープなエクステリアデザインにときめいた一人でした。
この3代目は、現在では当たり前の「電気モノ」の装備を積極採用していたことも特長のひとつ。国産車としては初のドライブコンピュータ(ストップウォッチやナビメーター、計算機機能などを搭載)をオプションで用意したり、トータルイルミネーションシステムと銘打って減光式ルームランプやフットウェルランプ、イルミネーションコントールなどを採用。
純正オーディオも専用に開発されるなど、スペシャルティカーらしさを演出する装備、機能は実に豊富でした。当時の日産は、いわゆる「初モノ」が大好きで、2ドアクーペから遅れること半年で追加されたハッチバックでは国産車初の1アームワイパーを採用。クーペ同様、スタイリッシュに仕上げられた見た目を盛り上げる要素のひとつとなりました。
一方、当時のサニーやバイオレットをベースとしていたシャシ回りは新鮮味溢れた内外装と比較すると案外普通。デビュー当初のパワーユニットも1.8リッターと2リッターの自然吸気のみと大人しいものでした。CMについても先の充実した装備回りのアピールが中心。そのキャッチコピーは「白い稲妻」。
こう聞いて葦毛の競走馬を思い浮かべる人はベテランの競馬マニアか、某ゲームに感化されたワタシのような“にわか”に間違いありませんが、ともかく内容的に他車を挑発するような要素はありませんでした。
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