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「遅れて来た本命」フィアットの小型SUV「600ハイブリッド」はなめらかな走り味と使い勝手のよさが好印象! 狭い道でもスイスイ走れます

“ハイブリッドLOVE”の国にやってきた待望のハイブリッド仕様

 先ごろ日本に上陸したフィアット「600(セイチェント)ハイブリッド」。正直に告白すると、フィアットが日本市場にハイブリッド車を投入するのは、このモデルが初めてだと聞いて筆者は少し驚きました。

フィアット「600ハイブリッド」
フィアット「600ハイブリッド」

 昨今の日本は「ハイブリッド車を中心にマーケットがまわっている」といっても過言ではないほど“ハイブリッドLOVE”な国。2024年の新車販売をパワートレインのタイプ別に見ると、ハイブリッドは62%と主流を占めているのです。もはや日本において、ハイブリッド車は珍しいものでもなんでもなく、一般の人がフツーに選択するクルマになっているのです。

 そんな“ハイブリッドLOVE”な国へやってきた「600ハイブリッド」は、フィアットにとってまさに“待望の存在”といっていいでしょう。なぜなら、先行販売されていた「600e」はピュアなBEV(電気自動車)であり、日本でそれを選ぶにはまだまだ高いハードルがあるからです。

 BEVには依然として、航続距離や充電に対する不安があります。さらに、購入時には「600e」で69万円という国からの補助金がつくものの、消費税込で555万円と決して安くはありません。そのため、一般の人にとってBEVはまだまだフツーに選べる存在ではないというのが実情ではないでしょうか。

 しかし今回、「600」シリーズのラインナップに追加されたハイブリッドモデルを見て、筆者(工藤貴宏)はグッと身近な存在に感じました。価格(消費税込)も、ベースモデルが365万円、上級グレードの「ラ・プリマ」が419万円で、さらに600台限定ではあるものの、「ラ・プリマ」には20万円安い399万円の特別ローンチ価格も設定されています。これなら身近に感じないわけがありません。

 今回、待望のハイブリッド仕様が追加された「600」シリーズですが、その魅力はなんといっても、キュートな見た目と運転のしやすさ、そして優れた実用性でしょう。

 丸型ヘッドライトが目を惹くエクステリアは、愛嬌があってそれだけでも「欲しい!」と思わせてくれるもの。

 加えて、全長4200mm、全幅1780mm、全高1595mm、ホイールベース2560mmとコンパクトなボディサイズは、日本の都市部などでも運転しやすいのです。

 それでいて、近年、フィアットにおける代名詞的存在であった「500(チンクエチェント)」シリーズと比べて、後席へアクセスするためのリアドアがつき、実用的なリアシート&ラゲッジスペースが確保されている「600」は、ファミリーカーとしても活躍してくれそうです。

 その上で、日本人にとって身近なパワートレインであるハイブリッド仕様が追加されたのですから、これは期待しないわけにはいきません。

 今回試乗したのは、そんな「600ハイブリッド」の上級グレード「ラ・プリマ」。資料をチェックして、さらに実際に触れてみて、まずは「装備が思った以上に充実しているな」と感じました。

 ラゲッジスペースへアクセスしようと思ったら、リアゲートには電動開閉機能が組み込まれていますし、運転席に座ってドライビングポジションを調整しようとしたら、電動式のシート調整機構までついていました。

 いずれも使用頻度の高い装備なので、「あってよかった」を実感できることでしょう。プレミアムブランドでもないのに、フィアット、なかなか頑張ってるな、と感じます。

 肝心のハイブリッド機構は、1.2リッターのターボエンジンにふたつのモーターを組み合わせたもの。

 モーターのうちひとつは、ベルトで接続したスターター&ジェネレーターがエンジンをサポートする、いわゆる“BSG(ベルトドリブン・スターター・ジェネレーター)”。そしてもうひとつは、6速のDCT(デュアルクラッチ式トランスミッション)に組み込まれる最高出力16kW、最大トルク51Nmのモーターです。

 後者はDCTに組み込まれているので、極低速域のみではありますがモーターだけでの走行も可能。ハイブリッド車らしさを実感できます。

Nextハイブリッド仕様の追加で「600」の魅力が格段にアップ
Gallery 【画像】「えっ!…」これがハイブリッドLOVEの国に投入されたフィアット「600ハイブリッド」です(30枚以上)

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