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「家具屋が革命を起こす日」ニトリが仕掛ける“生活家電”という第3の柱とは?――家電で読み解く新時代|Case.06

世界家電見本市「IFA」で縮小傾向にある日本メーカーに代わり、存在感を放つ中国勢の展示
世界家電見本市「IFA」で縮小傾向にある日本メーカーに代わり、存在感を放つ中国勢の展示

「安かろう悪かろう」からの脱却──中国メーカーの新戦略

 さらにハイセンスは生活家電市場にも本格的に参入してきた。これまで冷蔵庫や洗濯機などでは単身者向けの小型・低価格製品が主流だったが、最近では大型冷蔵庫や大容量洗濯機といったファミリーユース向け製品を市場に投入。

 特に400L超えの冷蔵庫や10kg以上の洗濯機など、ファミリー層が求める機能性、使い勝手に配慮した製品ラインナップを強化している。

 家電量販店での取り扱いも拡大し、家族世帯をターゲットにしたマーケティングや販売促進にも積極的に取り組んでいる。

 中国製家電に付きまとった「安かろう悪かろう」のイメージは完全に払拭されつつある。

 今や中国メーカーは、日本市場の厳しい消費者から品質や性能、使いやすさで高く評価されるようになり、着実に日本市場でシェアを伸ばしているのである。

 

今年4月に開催されたハイセンスのファミリーユースの冷蔵庫発表会の様子
今年4月に開催されたハイセンスのファミリーユースの冷蔵庫発表会の様子

ニトリが打ち出す「本当に必要な機能」を提供する家電

 この状況に対しニトリが選んだ道は、従来の日本メーカーが得意としてきた「高機能、高価格」という路線とはまったく異なる。「ユーザーが本当に必要とする機能だけを手頃な価格で提供する」ことだ。その代表例が昨年投入されたドラム式洗濯乾燥機である。

 税込99,900円(※一部離島では別途手数料がかかります)という破格の価格設定ながら、洗濯容量10kg、乾燥容量5kgと十分な機能を備え、日本の住宅事情に配慮したコンパクトサイズを実現。

 奥行約60cm、高さ約86cmという設計は、設置場所の狭さという従来の課題を解決した。

 そんななか筆者は2025年6月27日、ニトリの家電開発拠点を訪れた。そこには家具やインテリアだけでなく、洗濯機や冷蔵庫、エアコン、調理家電、さらにはヘアドライヤーやヘアブラシといった美容家電までが幅広く展示されていた。

 担当者たちは、「家具と同様に、家電でも生活提案を重視し、実際の暮らしの中で使いやすい製品を開発している」と強調した。

コストと設置性を両立したドラム式洗濯乾燥機
コストと設置性を両立したドラム式洗濯乾燥機

ニトリのドラム式洗濯乾燥機──常識を覆す4つの革新

 家電事業企画マネージャーは、ニトリが昨年11月に発表したドラム式洗濯乾燥機を例に挙げ、「消費者がドラム式洗濯機を諦める主な理由は、高価格、設置スペースの問題、長い乾燥時間、手入れの煩雑さなどでした。この4つの大きな課題を一つずつ見直し、徹底的に消費者目線で常識を覆す製品を開発しました」と語った。

 具体的には、まず価格面で大きな改革を行った。従来20万円前後が当たり前だったドラム式洗濯乾燥機を、税込99,900円(※一部離島では別途手数料がかかります)という破格の価格で市場に投入したのである。

 さらに設置スペースに関しても、従来品よりコンパクトな奥行約60cm、高さ約86cmというサイズを実現し、日本の狭い住宅事情にも適した設計を施した。

 乾燥にかかる時間も改善され、特に好評なのが約2kgの衣類を約60分で洗濯から乾燥まで完了できる「特急洗乾モード」だ。

 これは朝の急ぎの洗濯物や、子供の体操服、日々のうっかり忘れ物など、実際の日常生活に密着した使い方を想定して開発された。また、手入れの面倒さについては、乾燥フィルター自体を廃止し、自動で水洗浄されるフィルターレス構造を採用。

 これにより従来のように乾燥フィルターを毎回手作業で掃除する手間を完全に無くし、日常的な家事負担を大幅に軽減している。

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「カチッ」と日常をオフに。至福の時を刻む、マインドフルネス
滝田勝紀
滝田勝紀
VAGUE家電統括プロデューサー
モノ雑誌の編集に15年以上携わり『デジモノステーション』編集長を歴任。現在は家電スペシャリストとして、国内外の最新テクノロジーを長年取材。All About家電ガイドやMakuakeエバンジェリスト、楽天ROOM公式インフルエンサー(フォロワー56万人超)など幅広く活動する。海外取材経験も豊富で、欧州家電メーカー本社や世界最大級の見本市「IFA」への造詣も深い。また、Z世代向けメディア運営やPR会社経営の傍ら、インテリアスタイリスト窪川勝哉氏とのユニット「𝒾𝓃𝒞𝒶𝒹𝑒𝓃𝓏𝒶」で家電開発も手掛ける。機能とデザインの両面から、心地よい暮らしのあり方を提唱している。

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