「家具屋が革命を起こす日」ニトリが仕掛ける“生活家電”という第3の柱とは?――家電で読み解く新時代|Case.06
家電を新たな柱へ──ニトリの本格参入
家具・インテリア大手のニトリが、家電市場への本格参入を表明し、大きな注目を集めている。2024年、ドラム式洗濯乾燥機の投入を皮切りに、大型家電から調理家電に至るまで、さまざまな製品展開をスタートした。
昨年11月の発表会で似鳥昭雄会長は、「家具、インテリアに次ぐ新たな柱として、家電を本格的に育てていきたい」と語り、会社全体での意気込みを明確に示していた。
さらに、「お客様が日常の生活で諦めている不便や不満を解消する、革命的な家電を作りたい」と、家電事業への強い使命感も感じとれた。
「お、ねだん以上。」というインテリア事業で培ったコンセプトを家電領域にも応用し、国内外に展開するほとんどの店舗にて家電製品の販売を進めている。
ニトリホールディングス執行役員で家電商品部ゼネラルマネージャーの奥田哲也氏は、「ニトリが家電を作る以上、単なる価格競争に陥ることはありません。似鳥会長から常々言われているのは、『改善ではなく革命を』という言葉です。消費者の常識や既存のマーケットルールに挑戦し、新たな価値を提供することを目指しています」と、当時のインタビュー記事などで強調している。

中国メーカーの台頭と日本勢の衰退
こうしたニトリの戦略は、国内外の家電市場の現状を考えると、極めて理にかなっている。近年、日本メーカーの国際的存在感は顕著に低下している。
筆者も毎年訪れてきた世界最大級の家電見本市「IFA」では、中国企業が市場を席巻。
筆者が目にした2023年の展示会場では、中国企業が全出展社の半数以上を占め、巨大なブースを構えたハイセンスやハイアールといった中国勢に対し、ソニーやパナソニックなどの日本企業は公開展示を控える状況となっていた。
日本市場でも中国メーカーの勢いはとどまるところを知らない。特にテレビ市場では、2024年にハイセンスがシェア40.4%を獲得し、国内市場でトップに躍り出た。
同年にはTCLも9.5%のシェアを記録し、両社合わせて日本のテレビ市場の半分近くを占めるまで成長している。ハイセンスの急成長の背景には、単なる低価格路線だけでなく、品質や性能面の大幅な向上がある。
同社は2018年に東芝映像ソリューション(TVS)を買収し、「レグザ」ブランドを獲得したことで、日本市場特有のニーズに対しきめ細かく対応できる体制を整えた。
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