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日産「スカイラインGT-R」の中古車価格はうなぎ登り!? アメリカのラグジュアリーメディアによる注目で「相場はさらに上がる」のか?

憧れと妄想によって海外でも“神格化”

 ひと昔前まで、新車時価格を超えるようなプライスタグを掲げた中古車といえば、“美術品”扱いされるような希少なクラシックカーくらいでした。しかし今では、日本の往年のスポーツカーまでもが超高額で取り引きされる時代となっています。その筆頭格といえるのが、日産「スカイラインGT-R」でしょう。

中古車市場で特に相場の高いモデルが、R34型の限定モデル「スカイラインGT-R V spec II Nur/M spec Nur」
中古車市場で特に相場の高いモデルが、R34型の限定モデル「スカイラインGT-R V spec II Nur/M spec Nur」

“ハコスカ”と称される初代「スカイラインGT-R」(PGC10型、KPGC10型)は、1969年から1972年にかけ、セダンが832台、クーペが1197台生産されました。

 しかし、続く2代目の“ケンメリ”「スカイラインGT-R」(KPGC110型)は、1973年にわずか197台が生産されたのみ。その後「スカイラインGT-R」は、日産自動車のラインナップからしばらく姿を消すこととなります。

 1989年に、しばらくの眠りから覚め、「スカイラインGT-R」(BNR32型)が復活したことは大きな話題となりました。

 2.6リッターの直列6気筒ツインターボエンジン、5速マニュアルトランスミッション、電子制御4WDシステム“アテーサE-TS”を搭載したR32型は、デビュー当初からモータースポーツで活躍。また、市販仕様の最高出力は280馬力でしたが、チューナーたちの手によって多数のモンスターマシンが誕生しました。

「スカイラインGT-R」は、日本や世界各地のツーリングカー選手権で連勝を重ねたため、オーストラリアの自動車メディアからは“ゴジラ”というニックネームを授かりました。

 もっともオーストラリアでは、R32型のあまりの強さを受けてレースのレギュレーションを変更。R32型は“締め出し”を食らうことになりました。

 そんな「スカイラインGT-R」は、ごく一部の国(香港、オーストラリア、ニュージーランド)にしか正規輸出されなかったこともあり、その名声は今とは違い、ゆるやかにメディアや口コミで広がっていきました。

 つまり、それ以外の国の人々は実車を目にする機会はほとんどなく、憧れと妄想によって「スカイラインGT-R」をどんどん“神格化”していったのです。

 また、リアルドライビングシミュレーターの『グランツーリスモ』や映画『ワイルド・スピード』に登場したことなども、「スカイラインGT-R」の人気に影響を及ぼしたことは間違いありません。

●富裕層によるオルタナティブ投資の対象に?

 アメリカでは、新車時登録から25年が過ぎた中古車であれば右ハンドル車でも輸入できます。

 エンスージアストの間で神格化された「スカイラインGT-R」は、あっという間に引く手あまたの存在となりました。需給のバランスに偏りがあったため、中古車相場はグングン上昇していきました。

 今では、R34型もアメリカに輸入できるようになったことから、過去の中古車相場を知る人が見れば、信じがたい状況になっています。

 現在の市場は、6万ドル(約883万円)~とエントリーレベルにあるR32型で市場参入を促し、12万ドル(約1766万円)〜のR33型で投資意欲を高め、最後に20万ドル(約2943万円)〜のR34型が待ち構えるという構成です。

 なかでも、1000台限定(実際には1003台とのウワサも)のR34型「M spec Nur」は希少性が高いこともあり、50万ドル(約7359万円)~という相場になっています。

 そんな最中、先日、アメリカのラグジュアリーメディア『Robb Report』が、「スカイラインGT-R」のオークション相場に関する記事を掲載しました。これは、「スカイラインGT-R」が富裕層によるオルタナティブ投資の対象へと昇華した証に思えます。

 今回の記事は、希少性や相場動向にさらりと触れている程度ですが、今後、SNSや他のメディアが「愛好家が急増中!」とか「最も価格が上昇している日本車!」なんてあおれば、さらに相場が上昇する可能性も否定できません。

「上がり続ける相場はない」ともいわれますが、それは「スカイラインGT-R」にも当てはまるのでしょうか? すでに遠い存在になっている気もしますが、さらに遠くなるのか、それとも調整局面があるのか、ちょっと見ものです。

Gallery 【画像】「えっ…!」これがアメリカで相場爆上がり中の日産「スカイライン GT-R」です(11枚)
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