自然吸気の最高峰「メッツガー・エンジン」搭載の「最後の911」がオークションで落札 600台限定生産の希少な「GT3 RS4.0」ってどんな価値がある?
史上最高の“ロードゴーイング911”
米国カリフォルニア州モントレーで開催されたRMサザビーズのオークションに、2011年型のポルシェ911 GT3 RS4.0が出品されました。
どんなクルマだったのでしょうか。

2010年から2012年にかけて限定生産された「911GT3 RS4.0」は、多くのエンスージアストから「史上最高のロードゴーイング ポルシェ911」と称されています。
これは、サーキット指向のRS仕様がベースで、そしてハンス・メッツガー氏が開発したフラット6エンジンを搭載した最後の量産モデルであることが理由です。
伝説のポルシェ エンジニアといわれる故メッツガー氏は、大成功を収めた917のフラット12や、タイプ935と936に搭載されたフラット6ターボなど、数多くのエンジン設計を手がけました。
ターボ、GT2、GT3など、トップラインの911に搭載されるエンジンは、同じエンジニアリングアプローチを採用していることから、俗に「メッツガー・エンジン」と呼ばれました。
高回転型で驚異的なレッドラインを持ち、公道で使用するには過剰なほどに強化されたエンジンは、レースでの長期的な高性能を実現するため、一切の妥協をせずに開発されました。
従来型のフラット6エンジンよりも単にパワフルなだけでなく、信頼性にも優れており、量産型911に搭載されているエンジンの故障しやすい中間シャフトベアリングよりも頑強な、圧力供給式エンジンオイル潤滑を採用したシンプルなベアリング設計を採用していました。
このメッツガーエンジンは、デュアルタイミングチェーンの採用により、従来型のフラット6エンジンよりもより力強く、荒々しいサウンドを特徴としています。
タイプ997の最終モデルである997.2において、ポルシェは911GT3 RSの排気量を3.8リッターから4.0リッターに拡大し、500馬力の最高出力と339ポンドフィート(約460Nm)の最大トルクを達成しました。
この出力向上は、新しいインテークマニフォールド、カーボンファイバー製ハウジング内の高流量エアフィルター、制限の少ない触媒コンバーター、「バリオカム プラス」バルブタイミング、および2段階可変吸気システムなどによるものです。
前モデルの911 GT3 RS3.8は、簡素化されたインテリアやその他の軽量化措置により、ラインナップ内の標準モデルよりも既に軽量化されていました。
ですがポルシェはRS4.0において、カーボンファイバー製のトランクリッドとフロントフェンダー、チタン製コンロッド、そして軽量化されたインテリアトリムを採用することで、さらに22ポンド(約10kg)の軽量化を実現しました。
GT3 RS4.0はわずか600台しか生産されず、ここで紹介する個体は394番目です。
カラーラ(大理石)ホワイトのボディカラーに同色のホイールを組み合わせ、ブラックとレッドの標準内装を採用しています。
工場出荷時にオプションのスポーツクロノパッケージ(PCM非搭載)、メモリー機能付きアダプティブ スポーツシート、赤い「RS4.0」ロゴ、ブルートゥースの電話&オーディオ インターフェース、フロアマット、消火器を装備しました。
付属のウインドーステッカーには、このクルマがフロリダ州のディーラーに新車として出荷されたことが記載されています。
驚くべきことに、カタログ作成時点でのオドメーター表示は160マイル(約256km)未満でした。
それゆえ、この希少な911GT3RS4.0はコレクターにとって夢の1台といえるでしょう。
ただし、メッツガー フラット6の陶酔的なサウンドを全開で楽しむために、慎重さを捨ててしまう誘惑に抗うのは難しいかもしれません。
この2011年型のポルシェ911 GT3 RS4.0は、107万7500USドル(1USドル=約147円として、約1億5840万円)で落札されました。
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