昔ならの支那そば・中華そばの味を求めて――来集軒(浅草)は初めてでも懐かしさを感じる味わいだった【遠くても行きたい町中華#31】
昭和の味をそのまま受け継ぐ、これぞTHE・中華そば! 「ラーメン」
東京メトロ浅草駅から徒歩約10分、TX浅草駅からは1分ほどの場所にある来集軒(らいしゅうけん)。浅草に店を構えたのは1950(昭和25)年。
「最初は突き当たりにあったのですが、今の場所に移って37〜8年になりますね」と3代目店主。
そもそも、明治時代に店主の祖父の兄が製麺所を始め、戦後になってから祖父が、浅草の人たちがすぐ食べられるようにとラーメン店を始めたのがきっかけ。なので店主曰く
「昔ながらの中華そばの店なんですよ」

メニューはラーメンやタンメン、ワンタンなどの麺類13種類にチャーハンとシューマイ。いわゆる定食ものや丼ものなどはありません。
それでも、ランチタイムはもちろん、夕方になると、ビールとシュウマイ、シメにラーメンを食べて帰る、という常連さんの姿も。
地元の人はもちろん、落語家や力士たちにも愛され続けている、来集軒に行ったら頼みたい、おすすめの3品を紹介します。
来集軒にきたら絶対に頼みたいのがこのラーメン。むしろ、来集軒にきてこれを頼まないなんてあり得ない! と言いきれる一杯です。
「スープは豚骨やゲンコツ、鶏ガラなどでとったもので、麺は少しだけちぢれ麺ですね。うちでは、ラーメンとシュウマイの組み合わせが一番出るんですよ」

褐色のスープは一見、醤油が強そうに感じますが、味わってみるとすっきりとした美味しさで、昭和の時代に食べた中華そばの記憶が一気に蘇ってくる味わい。ちぢれ麺がほどよくスープを持ち上げ、口に入れると同時に香りも一気に広がってきます。
チャーシューはトロトロではなくしっかり系。でも口に入れるとスッとほぐれる柔らかさです。
程よくキリッとした醤油味は、初めて食べるのにどこか懐かしい、そうそうこれ! と言いたくなる美味しさです。
創業当時からレシピは変わらない、人気サイドメニュー「シュウマイ」
「材料は豚肉、タマネギ、つなぎのみ。創業当時の味のまま、昔ながらの味を守っています」
とはいえ、レシピのようなものが残っているのではなく、見様見真似で受け継いだとのこと。シュウマイ1個の重さも「持った感覚で」
それってすごい!
「シンプルだからこそ、逆に喜んでもらえているのかもしれないですね」

むっちりとした食感に、後から、ちょこっとつけたカラシがやってきて肉の旨み、甘みが口の中いっぱいに広がるシュウマイ。肉の密度は高いけれど、固くなくふんわりむっちり。常連さんの、シュウマイとビールからのラーメン、すっごく納得です。マネさせていただきます!
絶妙な塩加減&油加減で、ハシが止まらない「台湾メン」
汁麺だけじゃない、炒めた麺メニューもあり、その中でおすすめが「台湾メン」。肉と野菜を炒め、麺を入れて炒めた後、味付けは塩コショウと最後に少しだけ醤油。チャーシューの細切りがトッピングになっています。
この台湾メン、塩と油のバランスが絶妙! そしてもやしのシャキシャキ、キクラゲのコリコリ、麺のもちもちなど、食感の違いもいい。もしお腹に余裕があるなら、白いゴハンも頼んで、一緒に味わいたくなる美味しさです。
炒める麺メニューは他に、焼きそば(カタヤキ)900円、ソース焼きそば800円も。複数人で食べに行くなら、これも絶対に頼みたい一皿です。

ビジネスパーソンをはじめ、観光客や常連のお客さんで賑わう来集軒。ランチタイムを外した時間でも、店内には数組のお客様がいます。
「うちは好きに食べて好きに帰っていただければいいんです。常連さんだと、あえて忙しい時間を外して来てくれていますね。自由に楽しんでもらえればいいんですよ」と店主。
キラキラとしたインバウンド向け、観光客向けの店ではなく、在住在勤の人たちがフラッと立ち寄って、ラーメンやシュウマイを楽しんでいく飾り気のない雰囲気が、長年愛され続けている理由の一つなのかもしれません。
この日は、ラジオで相撲を放送。それを見ながら女将さんと相撲話をする常連さんや、こちらがシュウマイを頼んだら、「ほらよ」ってカラシの瓶を渡してくれるお客さんなど、浅草らしさ、お客さんとの距離の良さを感じる来集軒。
昭和の中華そばを食べたい! となったら、またここにやってこようと思います。
来集軒(らいしゅうけん)
住:東京都台東区西浅草2-26-3
TEL:03-3844-7409
営:12:00〜18:00(17:50LO)
休:火曜・お盆休み、正月休み
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