新しい電動SUV「eビターラ」正式発表! スズキ初のEVパワーユニットを搭載した“日本にジャストサイズ”のコンパクトモデルは何が魅力?
スズキ初の量産BEV「eビターラ」の日本仕様を正式発表
2025年9月16日、スズキは同社初の量産BEV(電気自動車)「eビターラ(VITARA)」の日本仕様を正式発表。2026年1月16日より発売します。果たしてどんなモデルなのでしょうか?

スズキは2023年にインドで開催された「オートエキスポ2023」において、コンセプトカー「eVX(イーブイエックス)」を出展。2024年11月にイタリア・ミラノで初公開された「eビターラ」はその量産仕様で、スズキのBEV世界戦略車第1弾となります。
“エモーショナル バーサタイル クルーザー(Emotional Versatile Cruiser)”、つまり、“使い勝手がよくて、気分が上がるクルーザー”といった意味の商品コンセプトを掲げる「eビターラ」は、スズキ車らしい実用的で優れた機能性と、BEVならではの洗練さと先進性を融合させたモデルに仕上がっています。
「eビターラ」のボディは、全長4275mm、全幅1800mm、全高1640mm、ホイールベース2700mmと、日本の道路環境にジャストなサイズとなっています。
「High-Tech&Adventure(ハイテク&アドベンチャー)」をテーマにデザインされたエクステリアは、多角形や多面体構造を採用することでBEVの先進感とSUVの力強さを併せ持つ、冒険心を刺激する力強いデザインに。
装備面では、LEDデイタイムランニングランプや3点マトリクスLEDテールランプ、空力に配慮したガーニッシュつき18インチアロイホイールなどを採用しています。
また、天地が短いサイドウインドウを組み合わせることで、ルーフが低く、キャビンがキャノピー状に見えるところも「eビターラ」の特徴。大きく張り出した力強い前後フェンダーも見どころです。
気になるボディカラーは、全5色をラインナップ。新色「ランドブリーズグリーンパールメタリック」のツートーンなど、多彩なカラーが設定されています。
一方、全長の割に長めの2700mmというホイールベースや短いオーバーハングにより、ゆとりある空間を確保したインテリアにも注目です。
コックピットは、メーターとセンターのディスプレイを同一平面上に配置した“インテグレーテッドディスプレイシステム”やフローティングセンターコンソールなどにより、見た目のモダンさと操作性&使い勝手を両立。
また、フロントドアとセンターコンソールミドルトレイに内蔵されたアンビエントライトや異形ステアリングホイールなど、モダンな仕立ても見逃せません。
特筆すべきは前後スライド機構が備わるリアシートの広さで、後席乗員の足元、頭上クリアランスは申し分のない広さを得ることができます。こうした巧みなパッケージングは、長年、小さなクルマを手がけてきたスズキの面目躍如といったところでしょう。
さらに、ブラウン×ブラックのおしゃれなカラーコーディネートもポイント。SUVらしいタフさと、大人の上質感を演出する落ち着いた仕上がりになっています。
●BEVである前にクルマの基本性能を最重視
そんな「eビターラ」のシャシーには、高張力鋼板の使用率を約2倍とし、軽量化と高剛性を両立した新開発のBEV専用プラットフォーム“HEARTECT-e”が採用されています。これにより、大型の駆動用バッテリー搭載が可能になったほか、優れた衝突安全性と広い室内空間を確保したといいます。
気になるパワートレインは、複数のタイプをラインナップ。
駆動方式は、前輪駆動の2WDと4WDの2種類をラインナップしています。2WDは、最高出力106kW、最大トルク193Nm、バッテリー容量49kWhの標準グレード「X」と、最高出力128kW、最大トルク193Nm、バッテリー容量61kWhの上級グレード「Z」を設定。4WDは、トータル最高出力135kW、最大トルク307Nm、バッテリー容量61kWhという上級グレード「Z」だけとなります。
気になる1充電当たりの航続距離は、バッテリー容量61kWhの「Z」グレード2WDがWLTCモードで520km、同4WDが472km、そしてバッテリー容量49kWhの「X」グレード2WDが433kmとアナウンスされています。
ちなみに4WDモデルは、悪路走破性の向上に加えて操縦安定性の向上も期待できる4駆システム“ALLGRIP-e”を採用しています。同システムには「オート」モードと「トレイル」モードを備え、2WDモデル比で最大約1.4倍の登坂性能を獲得。雪道やアウトドアでも頼もしい走りを期待できる上、0-100km/h加速7.4秒という俊足を誇ります。
組み合わされるバッテリーパックはリン酸鉄リチウムイオン式。高効率Eアクスルにより、キビキビとした発進加速と低速域から高速域までのシャープな走りを実現したといいます。
BEVで気になるのは“寒い季節の航続距離”ですが、「eビターラ」はヒートポンプ式エアコン、バッテリーウォーマー、ステアリング&シートヒーターを標準装備。外気温が0度の状態でも、航続距離の悪化を「ノーマル」モード時で約15%、「エコ」モード時で約10%に抑えるといいます。
そのほか、ドライビングをサポートする“ワンペダルモード(イージードライブペダル)”や、3種類のドライブモード(「ノーマル」、「スポーツ」、「エコ」)を設定。ドライバーのカスタマイズ次第で、日々のドライブが楽しくなる工夫が盛り込まれています。
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スズキは「eビターラ」を開発するに当たって、品質と信頼性を最重視。BEVであることの前に、まずは走る・曲がる・止まるというクルマの基本性能をしっかりとつくり込んだといいます。その上で、BEVの“不便さ”をいかにして解消するかについて注力。こうして出来上がったのが、新しい「eビターラ」なのです。
その気になる価格(消費税込)は、「X」グレードの2WDが399万3000円、上級「Z」グレードの2WDが448万8000円。4WDが492万8000円となっています。
もちろんBEVなので、国や地方自治体の補助金を活用すれば、実質価格はさらに抑えられます。「eビターラ」はスズキ車らしく、買いやすさについてもしっかり配慮されているようです。
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