「水平対向エンジンの傑作」を1/3スケールでモデルアップ! ポルシェミュージアム公認“大人&マニアのための製作キット”は何がスゴい?
本物のエンジンと同じように動く精密キット
「14歳以下には不向き」と記載されたドイツ生まれ玩具が、一部のクルマ好きのハートをわしづかみにしているそうです。

それは、1/3スケールで精巧に再現されたエンジンの組み立てキットで、しかも単なるオブジェではなく、実際のエンジンと同じように動くのだとか。モノづくりを重んじるお国柄が玩具にまで現れているというマニアックさに、思わず驚嘆してしまいます。
モチーフとなったエンジンは、ポルシェの伝説的な“タイプ547”です。
同エンジンは、1953年にエルンスト・フールマン博士によって設計された、モータースポーツ界においてポルシェの黄金時代を築いた傑作。
水平対向4気筒エンジンは、それまでのフォルクスワーゲン由来のプッシュロッド式から、一気に最先端技術を導入した革命的なユニットとなりました。
注目すべきは“キングシャフト”と呼ばれる垂直駆動軸。実際の“タイプ547”では、16.8cmの精密部品が各シリンダーに設けられたふたつのオーバーヘッドカムシャフトを駆動し、7000回転以上という当時としては驚異的な高回転を可能にしました。
ベベルギアによる複雑なその駆動システムは、まさに時計のような精密さを実現した傑作だったのです。
“タイプ547”の実力は、1950年代のル・マン24時間耐久レースやミッレミリア、カレラ・パナメリカーナなど多くのレースシーンで遺憾なく発揮されました。
そんな名機を再現したFranzis社の組み立てキットは、300以上のパーツで構成されたポルシェミュージアムとの共同開発品です。

同ミュージアムが保管するオリジナルの技術図面に基づいて忠実にモデルアップされたもので、クランクシャフト、コネクティングロッド、ピストン、バルブなどは実際のエンジンと同じ動きをするといいます。
●ポルシェミュージアムの担当者が開発を依頼するほどのクオリティ
キット誕生のキッカケとなったのは、Franzis社が手がけた1/4スケールのポルシェ「911」のエンジンの模型でした。
そのクオリティの高さに感動したポルシェミュージアムの担当者が「“ポルシェ・エンジンの神様”といわれるハンス・メッツガーが開発した“タイプ547”を再現して欲しい」とFranzis社に対して依頼したことで、プロジェクトがスタートしたといいます。
モデルアップされた組み立てキットは、透明なエンジンケースの中で4つのピストンが動き、吸排気バルブが正確なタイミングで開閉する様子を観察できます。
LEDライトがスパークプラグの点火を再現し、「1-6-2-4-3-5」という実際の点火順序まで忠実に表現されています。
加えて、内蔵されたサウンドモジュールから独特な“カレラエンジン”の音が響くギミックまで備えています。
接着剤は一切不要で、約6時間で完成する同キット、メカニズムに興味のある方なら誰もが楽しめる設計となっています。
詳細な組み立て説明書はドイツ語と英語で書かれた62ページの美しいハンドブックとして提供され、“タイプ547”の歴史的背景や技術的詳細も学ぶことができます。
モータースポーツファンはもちろんのこと、精密機械の美しさに魅力を感じる方にとっても、このキットは時を超えた技術への憧憬を呼び覚ますアイテムとなるでしょう。
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なお、ドイツのモデル愛好家たちの間では、金属製のテンションバンドを0.4mmの極薄アルミシートで自作したり、エキゾーストパイプに絶妙なサビ加工を施したりと、芸術品レベルまで仕上げる楽しみ方も流行っているそうです。
なかには、実際に3000回転まで回せるよう、金属ベアリングを組み込む猛者もいるといいますから驚きです。
“ポルシェミュージアム公認”というお墨つきは、単なる模型の域を超えた本物の価値を感じさせます。机の上で静かに回り続けるピストンを見つめていると、栄光のル・マンでの勝利やカレラ・パナメリカーナの興奮が蘇ってくるかもしれません。
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