“ポルシェ×東京大学”のユニークなプログラム「LEARN with Porsche」の目的とは? 2025年の舞台は東京・新潟・道東! 若者たちは何を学んだのか?【Behind the Product#32】
2025年は金・水銀・公害・環境&自然保護などのテーマに触れる
ポルシェジャパンが2021年から展開しているユニークなプログラム「LEARN with Porsche」。これは、東京大学先端科学技術研究センター(以下、東大先端研)とのパートナーシップによりおこなわれている、若者の夢の実現をサポートするプロジェクトで、2025年で早くも5年目を迎えました。
自動車の総輸入元であるポルシェジャパンはなぜ、東大先端研とこうしたプログラムに取り組んでいるのでしょう? 今年度の「サマープログラム」の様子を振り返りながらその理由を深掘りしたいと思います。

「LEARN with Porsche」は毎年夏、中高生を対象に「ものづくりが好きな若者向けのプログラム」と「君の学びを変えるサマープログラム」というイノベーティブな経験の場を提供。若者たちが夢を叶えるためのサポートをおこなっています。
原点である「LEARN」は、Learn Enthusiastically(熱心に学び)、Actively(積極的に)、Realistically and Naturally(現実的かつ自然に)の頭文字に由来するプログラムで、東大先端研「個別最適な学び」寄付研究部門のシニアリサーチフェローである中邑賢龍さんと研究室のメンバーが展開しています。
「LEARN with Porsche」は、若者の夢の実現をCSR活動の柱のひとつに掲げるポルシェジャパンが「LEARN」と手を組み、学校教育とは異なる学びを提供するスカラーシッププログラムとなっています。
その中の「サマープログラム」は、毎年、異なるテーマと内容で開催されます。今夏は、“未来を駆け抜ける君へ「君の学びはこのままで十分か?」”というテーマの下、学校教育や自動車とはかけ離れた内容のプログラムが展開されました。
1年目は北海道・帯広、2年目は四国・愛媛、高知、3年目は北海道・利尻島、礼文島、4年目は熊本・天草地域と日本中を巡ってきた同プログラムですが、5年目となる2025年は東京と新潟、そして北海道・道東を舞台に5日間の日程で開催されました。
ちなみに同プログラムには、中邑さんや研究室のメンバーに加えて、ポルシェジャパン広報部長の黒岩真治さんや料理研究家の土井善晴さんも全日程に帯同。参加者とともに過ごし、サポートやアドバイスをおこないます。
2025年の参加者は、中学3年生から高校3年生までの男女10名。参加者たちは「どこへ行き、何をするのか」といった行き先や内容などを一切知らされぬまま、目的地を目指します。しかも参加者たちには、スマートフォンなど電子デバイスの使用禁止というルールも。人と出会い、話をすることで何かを得て、さまざまな体験を通じて知識を深めていくことが学びの基本となっているのです。
こうして始まった2025年の「サマープログラム」は、東京と新潟の2チームに分かれてスタートしました。
東京チームは「日本橋ってどんな街?」というテーマの下、日本橋の「金座」、すなわち日本銀行の貨幣博物館を訪問。金座は江戸時代に金貨をつくっていた場所であり、経済と文化の中心でした。その後、参加者たちは、田中貴金属本店で1kgの金のインゴット(時価約1700万円)を手に取り、お金の価値を改めて実感したのでした。
一方の新潟チームは、「阿賀野川といえば何を思いつく? 今から上流に行ってみよう」をテーマに阿賀町(かつての鹿瀬町)を訪問。新潟水俣病の被害者から当時の暮らしぶりやエピソードなどをうかがいます。新潟水俣病は高度経済成長期に多発した公害病のひとつであり、企業が放出したメチル水銀により引き起こされたものです。
その後、参加者たちは北海道へと移動。それぞれのチームには「イトムカを探せ!」というミッションが与えられます。街で聞き込みをしていると、偶然、“イトムカ”のことを知っている人に遭遇。現地までの地図まで書いてもらうなど、人との出会いから新たな知識を深めていきます。
2日目、両チームの参加者たちは列車で移動。車内でそれぞれが合流し、東京チームと新潟チームがそれぞれ得てきた情報を共有しながら留辺蘂(るべしべ)駅を目指します。
実はこの日の目的地であるイトムカは、かつて東洋でも屈指の水銀生産量を誇った鉱山があった土地。今では同地にある野村興産イトムカ鉱業所が、日本で唯一、水銀リサイクル処理事業を手がけています。

全国から集まった蛍光灯や乾電池など水銀を含んだ廃棄物から、水銀を回収するリサイクルがおこなわれています。
世界的なリサイクル施設を訪問した後、参加者たちは鉱山が活況だった頃の思い出をうかがうべく地元の人と交流。かつて水銀は貴重な軍事物資であったことや、最盛期には街に映画館もあるなど繁栄していた様子、さらに、この地でも水銀中毒が発生していた事実などを学んでいました。
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