マツダ広島本社に「5ドアハッチバック」のコンセプトカーが展示中! 1983年にファミリーカーの理想を求めて誕生した「MX-02」ってどんなクルマ?
新技術でファミリーカーの理想を追い求めた「MX-02」とは
マツダは現在、2026年2月中旬までの予定で、広島県府中町の本社ショールームに往年のコンセプトカー「MX-02」を展示中です。1983年に初公開されたこのモデル、果たしてどんなクルマなのでしょうか?

「MX-02」は1983年の「東京モーターショー」で初公開されたモデルで、マツダによると、ファミリーカーのあるべき姿を新技術で具体化したエンジニアリングコンセプトカーだといいます。
ボディ形状は5ドアハッチバック。サイズは全長4495mm、全幅1695mm、全高1400mm、ホイールベース2800mmで、車両重量(目標値)は890kgとされていました。
なお、車名にある「MX」とは、Mazda eXperimentalの頭文字から取られたもの。現在でも、ロータリーエンジンを発電機として使うPHEV(プラグインハイブリッド)の「MX-30」や、オープン2シータースポーツ「ロードスター」の海外仕様など、チャレンジングなモデルにつけられています。
そんなネーミングを冠しているだけあって、「MX-02」も当時としては最先端のテクノロジーを搭載しています。
一番の注目は、4輪操舵システムを搭載していたことでしょう。速度が40km/h以下においては、後輪は前輪とは逆方向に操舵。この技術により、低速域での取り回し性と高速での優れた直進安定性の両立を目指していました。
また、フロントガラスに各種情報を投影するヘッドアップディスプレイが搭載されているのも見逃せません。
スクエアな形状のヘッドライトを備えた「MX-02」は、ガラスエリアの大きなエクステリアが目を惹きます。さらに、ボディと一体になるようデザインされたフェアリングドアミラー、リアタイヤを覆うカバー(リアスパッツ)など、エアロダイナミクスを考慮したデザインも採用。これによりCd値=空気抵抗係数は0.25という優れた数値をマークしました。
また、ラゲッジスペースにアクセスできるリアゲートは上下2分割タイプで、下側はバンパー部まで大きく開くようになっていました。
一方のインテリアは、モダンかつ未来的なデザインが印象的。コックピットには現代のモデルにつながるような、カーエレクトロニクスの搭載が想定されていました。
* * *
結局、市販化には至らなかった「MX-02」ですが、そのデザインにおけるディテールやメカニズムの一部は、後に誕生した市販モデルに採用されています。そう考えると、知名度はイマイチの「MX-02」ですが、エンジニアリングコンセプトカーとしての使命は十分に果たした、マツダ史に残る1台といえそうです。
VAGUEからのオススメ
マザー・オブ・パールが詩情豊かに輝く――大人の夜を彩るブローバ「マリンスター」日本限定モデルの魅力とは【PR】