世界限定918台 最高時速344キロの“ハイパーカー御三家” ポルシェ「918スパイダー」をオークションで発見 軽量オプション“ヴァイザッハ仕様”の予想価格とは
予想落札価格は160万ドルから200万ドル
2025年12月4日にUAE(アラブ首長国連邦)アブダビで開催されるRMサザビーズ主催のオークションに、2015年式ポルシェ「918“ヴァイザッハ”スパイダー」が出品される予定です。
どんなクルマなのでしょうか。
ポルシェはかつて、将来の顧客に向けて「自信を持って前進し、新たな道を切り開くことこそが私たちの挑戦です。どこへ辿り着くかはまだ分かりません。しかし、新しいものを生み出す唯一の方法であることだけは確かです」と語りました。
このメッセージが示していたのは、ブランドの次なるフラッグシップとなるハイブリッド・ハイパーカー、918スパイダーが未知の領域へ踏み出す存在であるという強い意志でした。それは「エコ性能と極限のパフォーマンスを両立させ、白か黒かでしか物事を捉えない人々を困惑させるモデル」であり、「スポーツカーへの情熱を再び呼び覚ます一台になる」と宣言されていました。
その言葉どおり、918スパイダーは同時期に登場したマクラーレン「P1」、フェラーリ「ラ・フェラーリ」とともに、いわゆる2010年代なかばの“ハイパーカー御三家(Holy Trinity)”を形成しました。
この3台は単にスポーツカーへの興味を再燃させただけに留まらず、まったく新しい世代のファンを虜にしました。そして12年を経たいま、「959」や「カレラGT」に続く、ポルシェ史上わずか3台しかないともいえる“ヘイローカー(象徴的存在)”として、918スパイダーはその価値を揺るぎないものにしています。
前身となったミッドシップのカレラGTが、ル・マン参戦用に開発されながらキャンセルされたLMP2000のV10エンジンを搭載していたように、918スパイダーにもモータースポーツとの密接な結びつきが存在します。
車体中央に収められる自然吸気4.6リッターV8は9150rpmまで回転し、608馬力を発生します。
その排気はモデルの象徴ともいえるリアのロールオーバーフープ後方に配置されたトップエキゾーストから放たれます。このエンジンと“スパイダー”の名は、著名なペンスキー・チームとの共同開発でLMP2カテゴリーを席巻したレーシングマシン、RSスパイダーに由来します。
さらに、前後アクスルにそれぞれ1基ずつ備えた電気モーターにより、最高出力は合計887馬力へと引き上げられています。
7速PDKトランスミッションと四輪駆動の組み合わせにより、0-100km/h加速はわずか2.5秒、最高速度は344km/hと公表されました。
ポルシェはこのモデルを918台限定で生産し、そのうち297台がアメリカ市場に導入されました。
残る621台のうち、シャシナンバー232はサウジアラビアに新車として納車された個体です。メテオグレー・メタリックの外装に加え、カーボンセラミックブレーキのキャリパーやバッジには象徴的な“アシッドグリーン”があしらわれ、非常に魅力的な仕様となっております。
このモデルは、より軽量化と走行性能向上を追求した“ヴァイザッハ・パッケージ”を装備しています。
これは総額の10%もの追加費用となるオプションであり、41kgもの軽量化を実現しました。取り外し式ルーフやアクティブリアウイング、フロントガラス枠、ドアミラー、さらにはフロントクラムシェルに至るまで多数のパーツがカーボンファイバー仕様となっています。
足回りでは、セラミック製ホイールベアリングやチタンによるブレーキシステム強化が施されました。この仕様により、918スパイダーはニュルブルクリンク北コースで6分57秒という驚異的なラップタイムを記録し、標準仕様から3秒短縮に成功しました。
インテリアにはオニキスブラックのレザーが広く用いられ、随所にグロスカーボンやアシッドグリーンのアクセントが配置されています。
ドア上部、ステアリングセンターストライプ、スポーツシートのパイピング、シートベルトエッジ、さらにはタコメーター針に及ぶまで徹底した仕立てが施されています。さらに、バーメスター製ハイエンドオーディオやフロントリフト、カップホルダーなど、日常性を高める装備も備えています。
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