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最大1000馬力オーバーの加速は尋常じゃない! ポルシェ最強の電動スポーツ「タイカンターボGT」が誇る“異次元の速さ”とドライブフィールとは

速いのに荒くない余裕と精度が同居するドライブフィール

 こうした「タイカン ターボGT」のメカニズムやスペックを知ってしまうと、そのパフォーマンスの片鱗を自ら体験してみたくなるもの。先日、ようやくその機会を得ることができましたが、その走りと懐の深さは想像以上のものでした。

 実は今回のテストドライブに先駆けて、富士スピードウェイで「タイカン ターボGT」に触れる機会がありました。それも、国内トップクラスのレーシングドライバーの助手席という滅多にない環境で、まさに驚異的ともいえるパフォーマンスを体験したのです。

 ローンチコントロールを使用してのゼロ発進加速から1コーナー手前での驚異的な減速、スピードレンジを問わず各コーナーでの抜群のスタビリティと切れ味、全身の血液が背中と後頭部に持っていかれるかのような強烈な加速……。「プロドライバーが操ると、こうも生き生きとサーキットを駆け抜けるのか……」と、「タイカン ターボGT」とサーキットの相性のよさを実感したのです。

 そのラップタイムは、「911」のカップカーにも迫る速さでした。何しろ、加速だけ見ても、最終のパナソニックコーナーから立ち上がり、Bパドックの前を通過する頃には悠々と260km/hに到達するほど、といえば、爆発的なパワーと性能をお分かりいただけるのではないでしょうか。

 一方で、ここまで圧倒的なパフォーマンスは、街中では持て余すのではないか? また、自分にも扱えるのだろうか? という疑問も浮かびます。

ポルシェ「タイカン ターボGT」
ポルシェ「タイカン ターボGT」

 そしてついに「タイカン ターボGT」のステアリングを握る日がやってきました。サーキットでの経験から物怖じしつつ、シェイプの深いバケットシートに収まりますが、体にピタリとフィットする造形で快適性という点においても不満は感じません。

 確かにリクライニングしませんから、リラックスした姿勢こそ取れませんが、交差点ひとつを曲がるにしても体が揺れることがありませんから、走行中はむしろ居心地がいいと感じたほどです。

 市街地では、ステアリングに備わるダイヤル式セレクターで「ノーマル」、「スポーツ」、「スポーツプラス」、そして航続距離を優先する「レンジモード」という各ドライブモードから「ノーマル」を選びましたが、流れに合わせて静々と走る限り、フツーの「タイカン」と大きく変わらない静粛性と快適性を実現しています。

 また「タイカン ターボGT」は、前後のラゲッジスペース、サラウンドオーディオ(標準はBOSE、試乗車はオプションのBurmester 3Dハイエンドサラウンドサウンドシステム)といった優れた実用性と快適性も備えるなど、オールマイティに使えるのも美点といえるでしょう。

 ワインディングや高速道路へと舞台を移し、「スポーツ」モードをセレクトすれば、まさに水を得た魚とばかりに、ドライビングも存分に楽しめます。

 タイヤはフロント265/35ZR21、リア305/30ZR21と性能にふさわしいサイズのピレリ「Pゼロ R」を装着していますが、路面からの外乱や振動、ノイズを感じることはありませんし、ステアリングにしっかりと伝わる接地感も良好です。

「タイカン ターボS」比で10kgの軽量化を果たしてはいるものの、「タイカン ターボGT」は2300kgというヘビー級のモデルです。しかし、やや的外れな表現にも思えますが、そのワインディングでの身のこなしは実に軽快。その印象はバケットシートによる車両との一体感もあってのことですが、サイズや重量を意識させない澄んだ乗り味に、ポルシェ一流のエンジニアリングを感じます。

* * *

 筆者(村田尚之)はBEV否定派ではありませんが、スポーツカーに限ってはサウンドやフィーリング、その抑揚といった、感情に訴える部分も大いなる魅力だとは思っています。とはいえ「タイカン ターボGT」は、フラットシックスが奏でる金属的で硬質な美声を差し引いても、余りある魅力があるのも事実です。

 それが、サーキットでの圧倒的なパフォーマンスなのか、普段使いも余裕でこなす懐の深さなのか、わずか数日間の付き合いでは判断はできそうにありません。

 しかし、ポルシェ愛好家やスポーツカーファン、そしてBEVに懐疑的な方こそ触れてみる価値のある1台であるのは間違いないでしょう。

Gallery 【画像】1000馬力オーバーの心臓部に専用エアロ! ポルシェ「タイカン ターボGT」の異次元ディテールを写真で見る(30枚以上)

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