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世界限定499台の特別な「赤いフェラーリ」がオークションに登場 11年前のモデルなのに走行3000キロ ビッカビカの「ラ・フェラーリ」の気になる予想価格とは

2015年5月に完成した499台のうちの1台

 2026年1月に米国アリゾナ州フェニックで開催されるRMサザビーズ主催のオークションで、2015年式フェラーリ「ラ・フェラーリ」が出品される予定です。

 どんなクルマなのでしょうか。

 フェラーリほど、限定生産スーパーカーによってブランドの価値そのものを高めてきた自動車メーカーは他にないでしょう。

 1980年代半ばの「288GTO」に始まり、40周年記念車「F40」、50周年記念車「F50」、ミレニアムを象徴する「エンツォ」、そして現在の「F80」へと続く系譜は、単なる高性能車の連なりではありません。それらは常に「時代を画す存在」として誕生し、フェラーリが少量生産で究極を追求する“ブティックメーカー”であることを世界に示してきました。

 しかし2010年代初頭、その絶対的な立場は新たな挑戦を受けることになります。

 ポルシェ「918スパイダー」やマクラーレン「P1」といった、ハイブリッド技術を武器とする次世代ハイパーカーの登場です。

オークションに出品される予定の2015年式フェラーリ「ラ・フェラーリ」Ted7.com(c)2025 Courtesy of RM Sotheby's
オークションに出品される予定の2015年式フェラーリ「ラ・フェラーリ」Ted7.com(c)2025 Courtesy of RM Sotheby's

 これに対し、65年以上にわたるモータースポーツの歴史で培った競争心を原動力に、フェラーリが送り出した回答が「ラ・フェラーリ」でした。2013年のジュネーブ・サロンで発表されたこのモデルは、直訳すれば「ザ・フェラーリ」。その名に込められた自信は、スペックが明らかになるにつれ裏付けられていきます。

 ラ・フェラーリの心臓部には、FXXの開発過程から生まれた6.3リッターV型12気筒自然吸気エンジンが搭載されています。

 圧縮比13.5:1という驚異的な数値を誇り、最高出力は789馬力、レブリミットは9250rpmに達します。これにF1由来のKERS技術を応用した電動モーターが組み合わされ、さらに161馬力を追加。システム総合で949馬力、最大トルク663lb-ft(約900Nm)という圧倒的な数値を実現しました。

 0-60mph(約0−96km/h)加速はわずか2.4秒、クォーターマイルは9.7秒と、当時のライバルを明確に凌駕する性能を誇ります。

 シャシにはF1マシンと同じ工程で製造されるカーボンファイバー製モノコックを採用。ドライビングポジションはエンツォよりもさらに低く設定され、極限の集中を促す設計です。特徴的なのは「シートを持たない」構造で、アルカンターラ張りのパッドを車体に直接固定し、ペダル側を調整するというレーシングカー的発想が採り入れられています。

 エクステリアデザインはフェラーリのチーフデザイナー、フラビオ・マンツォーニが担当。エンツォの過激さを抑えつつ、低く滑らかなフォルムを実現しました。車体には可動式エアロデバイスが多数組み込まれ、状況に応じて200〜800ポンドのダウンフォースを制御します。ブレンボ製カーボンセラミックブレーキと専用ピレリPゼロ・コルサタイヤが、その性能を路面へと確実に伝えます。

 クーペ仕様のラ・フェラーリは2016年1月に生産を終了し、生産台数は499台に限定されました。新車価格は130万ドル以上でしたが、全車が完成前に完売しています。

 今回紹介するシャシナンバー211443は、2015年5月に完成した一台で、ロッソ・コルサのボディにネロ/ロッソのインテリアを組み合わせています。

 新車時はカリフォルニア州に納車され、その後フロリダ州へと渡り、正規ディーラーによる整備を受けてきました。走行距離はわずか1938マイル(約3118km)にとどまり、フェラーリの「ビッグシックス」と称されるハイパーカー群の中でも、コレクションの中核を担う存在といえるでしょう。

 ラ・フェラーリは単なる高性能車ではなく、フェラーリというブランドそのものを体現した存在です。その完成度と象徴性は、今なお色褪せることなく、世界中の愛好家を魅了し続けています。

 この2015年式フェラーリ「ラ・フェラーリ」、落札予想価格は450万ドルから500万ドル(1USドル=158円換算で、日本円で約7億1110万円から7億9010万円)とされています。

Gallery 【写真】フェラーリの“ハイパーカー”に対する回答! 11年前の「ラ・フェラーリ」を見る(25枚)
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