今の時代「エンジンだけで駆動するスーパースポーツ」ってアリ!? マセラティの新フラッグシップ「MCプーラ」&「GT2ストラダーレ」のスゴさとは
純粋にエンジンのみで駆動するスーパースポーツ
マセラティのフラッグシップモデルであるスーパースポーツカー「MCプーラ」と、公道でドライブできるGT2レースカーというコンセプトを持つ「GT2ストラダーレ」。マセラティのラインアップの中で飛び切りスポーツ性能の高いこの2台を、サーキットでドライブすることができました。
「MCプーラ」は、マセラティとしては久々のスーパースポーツとして登場した「MC20」の後継モデル。“プーラ”とはイタリア語で“ピュア”を意味する言葉で、純粋なという意味を持っています。
“プーラ”という名にマセラティが込めた思いはさまざまでしょうが、最高に「プーラだ!」と感じるのはそのパッケージングです。
いまやスーパースポーツでもパワートレインの電動化は当たり前の時代ですが、この「MCプーラ」は「MC20」から継承した3リッターのV6ターボ“ネットゥーノ”エンジンのみで走行します。
キャビンの背後に搭載された“ネットゥーノ”が駆動するのはリアタイヤのみ。多くのハイパフォーマンスモデルが電動化と4WD化を図っていることを考えると、「MCプーラ」はピュアなドライビング体験を追い求める人のためのモデルといえそうです。
一方、レーシングカーそのものというルックスの「GT2ストラダーレ」は、マセラティがGT2規定のレースに参戦するマシンを公道でドライブできるというコンセプトのモデル。
多彩なエアロパーツはもちろんのこと、カーボンむき出しのフルバケットシートを備えられたインテリアなど、ドライバーにモータースポーツの興奮をダイレクトに感じさせる仕上がりとなっています。

そんなスーパーな2台のうち、最初に試乗したのは「MCプーラ」。
試乗会に先立つプレゼンテーションで、マセラティ ジャパンの代表取締役社長 木村隆之さんは「『MCプーラ』はガレージに飾っておくのではなく、ぜひ走らせることを楽しんで欲しい」と語っていたのですが、サーキットで周回を重ねていくほどに、その言葉を実感できる乗り味だと思いました。
今回、周回を重ねるほどにそのよさを感じたのが、卓越したコーナリング性能です。
「MCプーラ」はキャビンの背後にエンジンを搭載するミッドシップレイアウトを採用していますが、その特性を理解してドライブしないと、もしかしたら「楽しい」と感じられないかもしれません。
ブレーキングでしっかりと荷重を前側へと移し、ブレーキのリリースをていねいにおこなって……という一連の動作をステアリングと連携させておこなわないと、フロントノーズが思うように曲がっていってくれません。
しかし、しっかりと荷重移動をさせ、ステアリングの連携が決まると「これが正解なのか!」と分かるくらい、気持ちよくノーズが向きを変えてくれます。
「MCプーラ」はパッと乗っただけでその魅力が分かるクルマではなく、走りながらそのキャラクターを理解していくことで、楽しさが増していくモデルだと思います。楽しいと感じられるまでには一定以上のドラテクが必要となるので、玄人好みのモデルともいえます。
ガレージに飾らず、いっしょにドライブへと出かることで互いの理解が深まり、走る楽しさの密度が増していく……そんなモデルだと感じました。
実際、デイリーユースを考慮した快適装備やラゲッジスペースを有しています。また何より、華美に高性能をアピールしない、他のスーパースポーツにはないプレーンかつエレガントな内外装デザインも、ガレージに飾らず気軽にドライブへと連れ出せるポイントだといえます。
●ピュアなレーシングマシンを思わせる雰囲気
「MCプーラ」に続いてドライブした「GT2ストラダーレ」は、ピットロードを走り始めた瞬間からレーシングカー濃度が高く、驚かされました。
その装備類からストリートユースも可能ですが、ドライバーの耳に届くサウンド類は「MCプーラ」よりダイレクトで、以前、耐久レースでステアリングを握ったナンバーのないピュアなレーシングマシンを思わせる雰囲気でした。

コースインしてペースを上げていった際、強く印象に残ったのはその軽さです。
「MCプーラ」比で59kgの軽量化を実現していますが、バネ下など軽量化するポイントにもこだわった「GT2ストラダーレ」は、走る・曲がる・止まるというすべてにおいて、軽量化の恩恵を感じられるドライブフィールでした。
また、「MCプーラ」に比べて「楽しい!」と感じられるコーナリングの速度域が高く、クルマの理解を進めていくにはさらなるドラテクが求められる印象です。
さらに、優秀だと感じたのが電子制御。オプションの「パフォーマンスパッケージ装着車」には、サーキット用として電子制御の介入度合いを4段階に選べる機構が備わっています。4が最も介入度合いが強く、数字が小さくなるほどドライバーに多くをゆだねてきます。
実際に試してみると、段階ごとの介入度合いがとても考えられたバランスとなっていて、ドラテクの上達とクルマへの理解が深まるほどに数字を小さくしていく楽しみがあるなと感じました。
* * *
「MCプーラ」が公道で時間をかけて理解していくモデルであるならば、「GT2ストラダーレ」はサーキットで時間をかけて理解していくクルマであるといえるでしょう。
どちらも乗り始めてすぐの段階では、その真髄を理解することが難しいのですが、ともに過ごす時間が長くなるほどに、その魅力をジワジワと感じられるモデルでした。
流行りのスーパースポーツを頻繁に乗り換えるのではなく、1台と腰を据えて長くつき合いたいと考えるクルマ好きにはオススメのモデルといえそうです。
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