人気メニュー「伝統の“ス”チュー」名前の由来って? 人形町“三大洋食店”のひとつで食べる初代の想いとは【何度でも行きたい町洋食#27】
昭和8年創業、柳橋や深川の芸妓衆、明治座で公演する俳優や歌舞伎役者などに愛された洋食の店
日本橋・人形町にある老舗洋食店「芳味亭人形町本店」。日本橋・人形町の3大洋食店の一つとして、ランチタイムや週末などに行列ができる人気のお店です。
「1933(昭和8)年、横浜の「ホテルニューグランド」で洋食を学んだ近藤重晴が開業いたしました。ホテル仕込みの丁寧で確かな仕事から生み出される料理は、何代にも渡ってご愛顧くださるお客様に支えられています」。と話すのは店長の黒田さん。
元々は人形町の甘酒横丁から1本入った場所にお店があったのですが、2018年12月に甘酒横丁通り沿いに移転。昔の店舗や日本橋界隈の写真などは店舗2階の壁に飾られています。
「店名は、人形町の旧町名「芳町(よしちょう)」から一文字取ったものです。なので元々は『よしみ亭』だったのですが、お客様が『ほうみてい』と呼び始めたことから、いつしか『ほうみ亭』になったんですよ」

シチューではなくスチュー。口の中でほろほろと溶けていく「伝統のビーフスチュー」
「芳味亭のシチューは『スチュー』と呼びます。初代が修業時代、『シチュー』の『シ』が『ス』に聞こえ、それがそのまま『ビーフ”ス”チュー』と今日まで呼ばれ続けてきたからです。お肉は箸でも切れるくらい柔らかく煮込んであるんですよ」
黒毛和牛のスネ肉を4〜5時間煮込んだものに、3日間煮込んで作るデミグラスソースで作るビーフスチュー。
小ぶりの土鍋で熱々のまま出てくるのが、どこか老舗らしさを感じて嬉しくなります。

「デミグラスソースは3日間かけて作っています。野菜や肉を切り、焼き、煮込んで濾してという工程を繰り返し、3日目にしてようやく素材の味が引き出せます。野菜や牛肉、ワイン、スパイスなどの幾重にも重なった味わいや香りを楽しめるのは、手作りでしか味わうことができないものです」
お肉は本当に箸でほぐれる柔らかさ。そして豊かな旨み。
それこそ熱々のうちに堪能したい、思わず笑みが溢れる美味しさです。
芳味亭の魅力溢れる料理の数々をお重で。「洋食三段重」
「初代の想いが込められた、芳味亭の歴史を堪能できる重箱です。少しずつ楽しめる、大人のお子様ランチ弁当ですね」
一口大のビーフスチューにミニハンバーグ、カニクリームコロッケ、海老フライ、季節の魚などが一同に会した三段重。ご飯にお新香、というのもいい。ちなみにこの日の魚はブリ。
一の重はエビフライやカニクリームコロッケ、ロースハムなどで、二の重はビーフスチューとミニハンバーグ、そして三の重はゴハンとトマトソースとお漬物になっています。

トマトソースもついているけれど大きなエビフライはたっぷりのタルタルソースで。
そしてスチューのほろほろ肉とハンバーグの挽肉との違いもなるほど! という美味しさ。
どこから食べても、そしてどれを食べても本当に美味しい。とっても贅沢な気分を楽しめる、夢の三段重です。
料理を味わった後は、昔ながらのプリンも楽しむ
「玉子と牛乳で作る昔ながらのプリンですね。ほろ苦いカラメルが心地よいアクセントになっていて、どこか懐かしく、長きに渡り愛されてきたものです。洋食三段重のほか、ランチコースの最後のデザートとしても提供しています」

脚付きのガラスの器もレトロ感を感じるプリン。ちょっと固め、そしてカラメルがほんのりビターなのもいい。長きにわたって愛されているのに納得です。
「芳味亭は下町人形町の洋食屋。だからこそ、肩ひじ張らない”親しみやすさ”を料理で表現すること、季節の食材の旨味を最大限に活かすこと、そして、手間を惜しまない『手作り』を大事にしております」と料理長。
他にも、新潟県産雪室ポークカツカレー2750円や車海老マカロニグラタン2640円、ミックスフライ2860円など魅力的なメニューは色々。
また、3階には要予約の個室席(最大6名)があるので、家族や友人などと集まるのにもよさそうです。
「近くに水天宮があるので、参拝帰りにうちで食事会、という方も多いですよ」と黒田さん。
水天宮といえば安産祈願で有名。戌の日に安産のお祈りをしてからここでみんなで食事をするのは、確かにいい1日になりそう。
地元の人をはじめ、親子二代〜三代、おそらく四代にわたって愛され続けている「芳味亭人形町本店」。美味しい老舗の店が多い人形町で、長年人気があるのに納得できるおいしさでした。
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芳味亭人形町本店
住:東京都中央区日本橋人形町2-3-4
TEL:03-3666-5687
営:11:00〜15:00、17:00〜22:00 (LO21:00)
休:不定
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