どこを切り取っても絵になるレトロ感がたまらない! “歩くだけで癒される”風情ある街並みが魅力の春休みに行きたい「温泉地」3選
最後は、1300年以上の古い歴史を持つ長野の名湯
●長野県「渋温泉」
最後に3か所目として、長野県下高井郡山ノ内町にある渋温泉を取り上げます。

渋温泉は、今からおよそ1300年前に僧侶の行基が発見したと伝えられる、古い歴史を持つ温泉地です。
志賀高原の麓、横湯川沿いの小さなエリアに位置するこの温泉街には、石畳の通りや細い路地が巡らされています。
付近には大正から昭和初期に建てられ、増築と改築を繰り返した複雑な木造建築が多数残っており、昭和の面影を感じさせる独特の景観が形成されています。
戦国時代には武田信玄公の隠し湯のひとつとして、川中島の戦いで傷ついた兵士を療養させた場所ともいわれています。
渋温泉の全ての宿と外湯は、源泉から直接引湯したお湯を加水や加温することなく注ぐ、源泉掛け流しとなっています。
豊富な湯量と多様な泉質を誇り、浴衣と下駄姿で石畳の温泉街をそぞろ歩きながら、好みの肌触りのお湯を探すといった楽しみ方が可能です。
そして、渋温泉の大きな特徴は、「九湯めぐり」という文化があることです。
この温泉街には、地元の人々が日常的に利用し、維持管理を行っている共同浴場である外湯が九つ存在します。
これらの外湯は昔から住民の生活の一部として親しまれてきましたが、渋温泉では宿泊客を「一泊住民」として迎え、外湯を巡浴のために開放しています。
宿泊客は、宿泊施設から専用の鍵を借りることで、一番湯から九番湯まで、それぞれ源泉や効能が異なる外湯を巡ることができます。
専用の祈願手ぬぐいに各外湯のスタンプを押し、最後に温泉街を見下ろす渋高薬師へ参詣することで、満願成就になるといわれています。
近年では、観光地の環境や文化への負荷を軽減するレスポンシブル・ツーリズムの考え方も取り入れられています。
地域の人々の生活と結びついた温泉のあり方に触れながら、長い時間をかけて形成された街並みを散策できる点が、渋温泉の特徴となっています。
※ ※ ※
今回は、歴史ある街並みと温泉を同時に楽しめる道後温泉、銀山温泉、渋温泉の3か所を取り上げました。
それぞれの地域が持つ歴史的背景や建築物、そして独自の入浴文化は、お湯に浸かるだけではない温泉地の奥深さを感じさせます。
実際にその土地を訪れ、風情ある街並みを歩きながら温泉を利用することで、より充実した時間を過ごすことができるでしょう。
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