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おひとりさまもOK! 専用客室も備える「飛鳥III」に30代ソロトラベラーが乗ってぜいたくな旅を発見した

「二人旅」の常識を覆す新たな海の隠れ家

「クルーズ旅行」と聞くと、多くの人は夫婦や家族で楽しむ特別な旅を思い浮かべるのではないだろうか。

 実際、日本のクルーズ市場では長らく2人1室が基本で、一人で利用する場合は追加料金が発生する「シングルチャージ」が一般的だった。そのため、一人旅という選択肢は存在していても、積極的に歓迎されるものではなかった。

就航してから1年たっていない新造船、飛鳥IIIで神戸発着「初夏の週末 蒲郡クルーズ」に参加した
就航してから1年たっていない新造船、飛鳥IIIで神戸発着「初夏の週末 蒲郡クルーズ」に参加した

 しかし、その常識に変化をもたらそうとしているのが、郵船クルーズが2025年7月20日に就航した新造客船「飛鳥III」である。郵船クルーズとして34年ぶりとなる新造船であり、5年半という歳月をかけて完成した日本籍最大級の客船だ。

 今回筆者は2026年6月12日から6月15日の4日間、神戸発着「初夏の週末 蒲郡クルーズ」に参加し、船内を取材した。30代のソロトラベラーという視点から見えてきたのは、豪華客船というひと言では語りつくせない、新しいクルーズの価値だった。

 飛鳥IIIは、「飛鳥II」と並ぶ2隻体制の新たなフラグシップとして誕生。総トン数は約5万2200トンと飛鳥IIと同規模ながら、客室数を436室から385室へと絞り込むことで、客室一室あたりの広さやパブリックスペースにゆとりを持たせ、乗客一人あたりが占有できる空間をぜいたくに広げている。全室プライベートバルコニー付きという設計も大きな特徴だ。

 また、飛鳥IIが1泊からロングクルーズまで幅広い商品構成を持つのに対し、飛鳥IIIは基本的に3泊以上のクルーズを中心に展開する。短時間で多くのイベントを楽しむのではなく、船そのものを滞在先として満喫するという思想が色濃く反映されている。その考え方は船内のあらゆる場所に表れていた。

誰にも邪魔されない極上のプライベート空間

 飛鳥IIIで最も印象的だったのは、「ソロバルコニー」の存在である。海外ではソロ向け客室を設けるクルーズ会社が増えているものの、日本船ではまだ珍しい。

大型クルーズ客船としては珍しい、1人使用が前提の客室「ソロバルコニー」提供:郵船クルーズ株式会社
大型クルーズ客船としては珍しい、1人使用が前提の客室「ソロバルコニー」提供:郵船クルーズ株式会社

 飛鳥IIIでは、1人利用を前提に設計された専用客室を正式なカテゴリーとして用意し、2人部屋を1人で利用するのではなく、最初から1人用料金という考え方を採用している。

 これは料金体系を変えただけではない。クルーズは夫婦で行くものという従来の価値観から、1人でも自然に楽しめる旅へと、発想そのものを転換したのである。

 実際に船内を歩いていると、ラウンジで読書を楽しむ人、デッキで海を眺める人、カフェでゆっくり過ごす人の姿が目に入る。誰にもせかされず、それぞれが思い思いの時間を過ごしている様子は、ホテルともリゾートとも異なる、客船ならではの空気感を感じさせた。

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