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今季はマシンどうしのバトルが白熱! 2026年のF1は昨季と何が違う? 日本GP“鈴鹿サーキット”のセクター別分析から見えた「1.8秒遅くても最高に面白い」理由

速くなった? 日本GPの予選タイムから見えた意外な真実

 新しいパワーユニットや小型・軽量化されたマシンの導入、さらにエキサイティングなオーバーテイクシーンなどにより、2026年のF1マシンはこれまでより「さらにスピードアップをしている」と思いがちですが、実は違いました。鈴鹿サーキットで開催された日本GPの予選ポールポジションタイムを比較してみると、それは明白です。

 2025年、ポールポジションを獲得したマックス・フェルスタッペン/レッドブルのタイムは1分26秒983でしたが、今シーズンの予選で最速タイムをマークしたアンドレア・キミ・アントネッリ/メルセデスのタイムは1分28秒778。なんと2026年のマシンは、タイムだけ見ると1.8秒ほど遅くなっているのです。

 これはマシンが退化したのではなく、ダウンフォース(車体を路面に押しつける力)を意図的に減らした結果。単独走行での“絶対的な速さ”を少し削ってでも、マシン後方に発生する空気の乱れを抑え、後続のマシンがピタリと背後につけることができる“超接近戦”を優先したのが今シーズンのレギュレーションなのです。

●セクターごとに見えてくる“1.8秒差”のカラクリ

 日本GPが開催された鈴鹿サーキットは1周5.807kmですが、コース全体は特徴の異なる3つのセクターに分かれています。

白熱のバトルが展開されている2026年のF1グランプリ
白熱のバトルが展開されている2026年のF1グランプリ

 約1.8秒の予選タイム差を各セクターの特性から分析すると、今シーズンのマシンにもたらされた本質的な変化が、さらにくっきり浮かび上がってきます。

【セクター1:S字区間で問われる“エネルギーマネジメント”】

 第1コーナーからダンロップコーナーまでの“セクター1”は、世界屈指の連続コーナー(S字)が続く区間です。

 2025年のマシンは強烈なダウンフォースを得ていたため、この区間を驚異的なスピードで駆け抜けることができました。

 それに対して、ダウンフォースが削減された2026年のマシンは、当然のごとくコーナリングスピードがダウン。そのためこの区間は速く走るために、ドライバーには「電気エネルギーをどのように温存し、どこで放出するか」という、これまで以上に高度なエネルギーマネジメント能力が求められるようになっています。

【セクター2:デグナーからスプーンでは小型軽量化の恩恵と試練】

 デグナーカーブからヘアピンを抜け、スプーンカーブへと至る“セクター2”は、マシンの運動性能が試される区間ともいえます。

 2026年のマシンは小型・軽量化されたことで、ヘアピンのような低速コーナーではより機敏に向きを変えられるように。しかし、スプーンカーブのような中高速コーナーではダウンフォース削減の影響で、ドライバーの純粋なドライビングテクニックがタイムに直結するシビアな区間となっています。

【セクター3:バックストレートと130Rでは“アクティブエアロ”が威力】

 スプーンカーブの立ち上がりから超高速の130R、そして最終シケインを抜ける“セクター3”は、パワーユニットの性能と最高速がモノをいう区間です。

 ここで最大の威力を発揮するのが“アクティブエアロ”。直線区間で空気抵抗を減らし、従来比約3倍の最大350kWというモーターパワーが一気に解放されます。

 コーナリング主体のセクター1/2で失ったタイムを、セクター3の圧倒的なストレートスピードで取り返す……これが、2026年マシンの大きな特徴といえるでしょう。

白熱のバトルが展開されている2026年のF1グランプリ
白熱のバトルが展開されている2026年のF1グランプリ

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 全体を通してみると、2025年は空力の力でコーナーを制するマシンが速かったのに対し、2026年はエネルギーを巧みに操り、ストレートの伸びで勝負するマシンとドライバーが優位に立てることがうかがえます。

 絶対的にはタイムダウンしているといっても、ダウンフォースが減ったことでドライバーのテクニックがより問われるようになり、さらに“アクティブエアロ”を駆使した超接近戦が見応えのあるバトルを至るところで演出している2026年シーズンのF1。セクターごとのマシンの挙動に注目して観戦すれば、今シーズンのF1の奥深さを堪能できることでしょう。

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