スーパーカー世代にはやっぱ カウンタックはササるよね! 伝説の“ダウンドラフト”を極めた漆黒の「LP5000QV」を発見 唯一の48バルブV12キャブ仕様はなぜこれほど熱狂を生むのか
生産された約631台のLP5000QVのうちダウンドラフト仕様は約300台
2026年8月に開催するRMサザビーズ主催のモントレー・オークションに、ランボルギーニの歴史においてもっとも過激で、そしてもっともエンスージアストの心をかき立てる究極のモデルのひとつが出品されます。
1985年式のランボルギーニ「カウンタックLP5000 QV “ダウンドラフト”」。予想落札価格は90万から110万ドル、日本円にして約1億3500万から1億6500万円という非常に高い評価が与えられています。
どんなクルマなのでしょうか。
マルチェロ・ガンディーニが描いたウェッジシェイプの極致とも言えるスタイリングを持つカウンタックは、約26年という長きにわたって生産されましたが、その中でも1985年のジュネーブ・サロンで発表された「LP5000 QV(クワトロバルボーレ)」は、スーパーカーのパフォーマンス競争において特別な存在感を放っています。
最大のトピックは、排気量を5167ccへと拡大し、シリンダーヘッドを4バルブ化したV型12気筒エンジンです。
特にこのヨーロッパ仕様は、ウェーバー製キャブレターを従来のサイドドラフトからダウンドラフトへと変更したことで知られています。
この吸気効率を最優先した変更によって生まれたのが、後方視界を遮ってまでエンジンフード上に鎮座することになった特徴的な「パワードーム」です。
ダウンドラフト化の恩恵は凄まじく、先代の5000Sから実に87馬力もの強烈なパワーアップとなる最高出力455馬力を叩き出しました。

0-60マイル加速はわずか4.1秒、最高速度は時速195マイル(約314km/h)に達し、市販車として世界初にして唯一の「48バルブ・キャブレター仕様V12スーパーカー」として歴史に名を刻んでいます。
後に続くアメリカ仕様やインジェクション化されたモデルと比べても、このキャブレター仕様の暴力的なまでのレスポンスと荒々しいフィーリングは格別であり、当時のスーパーカーファンの頂点に君臨する存在でした。LP5000QVは約631台が生産されましたが、この究極の「ダウンドラフト」仕様はそのうちの約300台に過ぎません。
今回出品されるシャシナンバー「FLA12877」、エンジンナンバー「1080」の個体は、1985年7月に生産を終えた初期のモデルです。
ボディカラー、インテリアともに威圧感すら漂う漆黒の「ネロ・テネブレ(Nero Tenebre)」で統一されています。計器類はキロメートル表示で、アメリカ仕様特有の巨大なバンパーを持たない、本来の流麗なヨーロッパ仕様のディテールを保っている点も高く評価されています。
この個体が持つさらなる圧倒的な価値は、近年になって莫大な費用と時間をかけて施されたパーフェクトなレストアの記録にあります。
2011年にオハイオ州のスペシャリストの元で約7万7000ドルをかけてエンジンのリビルドが行われた後、2018年からはカリフォルニアのデュガン・エンタープライズへ持ち込まれ、実に4年の歳月を費やしたフルレストアが敢行されました。
2023年半ばに完了したその総費用は、請求書に残っているだけでも61万1000ドルを超過しており、さらにレストア後の細かなチューニングにも1万4000ドルが費やされています。まさにコスト度外視という執念によって新車時以上の輝きを取り戻したこのカウンタックは、レストア中途の2021年には世界最高峰のコンクール・デレガンス「ザ・クエイル・ア・モータースポーツ・ギャザリング」にも出展され話題を呼びました。

走行距離は現在3万3010キロメートルを示しており、当然ながらマッチングナンバーのオリジナルエンジンを搭載しています。
さらに熱心なコレクター心をくすぐるのは、この車両にはシルバーとゴールド、2セットのOZレーシング製ホイールが付属すること、そして象徴的な巨大なリアウィングを装着したエンジンフードと、ウィングレスのすっきりとした美しいオリジナルラインを堪能できるエンジンフードの2種類が用意されている点です。
参加するイベントの趣旨に合わせて、カウンタックの2つの異なる表情をガレージで自由に着せ替えて楽しむことができるという、非常に贅沢なパッケージングとなっています。オリジナルマニュアルやツールキットも完備されています。
VAGUEからのオススメ
ポータブル電源が都心で過ごす夜を変える──Jackeryがかなえる“オフグリッド”なスポーツ観戦【PR】