限定わずか499台の「赤いオープン・フェラーリ」が高額落札 自然吸気V8の音も心地良い 特別な「スクーデリア・スパイダー16M」って?
F1で16回目のコンストラクターズを獲った記念モデル
フェラーリが誇るモータースポーツの最高峰、フォーミュラ1(F1)の舞台において、2008年シーズンに史上最多となる通算16回目のコンストラクターズ・ワールドチャンピオンを獲得した栄光を讃えて誕生したのが、2009年式フェラーリ「スクーデリア・スパイダー 16M」です。
クーペ版の「430スクーデリア」で培われた究極のレーシングテクノロジーをそのままオープンボディへと移植し、世界でわずか499台のみが限定製造された伝説のスペチアーレが、2026年7月にドイツのテーゲルンゼー湖畔で開催されたRMサザビーズ主催のオークションに登場し、世界中のティフォシやハイエンドコレクターの間で大きな注目を集めました。

このモデルの最大の特徴は、ベースとなったF430スパイダーから徹底的な軽量化とパワーアップを果たした過激なパッケージングにあります。
ボディ剛性を高める一方で、前後バンパーの軽量化や専用の鍛造アルミホイールの採用、さらにインテリアの各部を徹底的に削ぎ落とすことで、じつに80kgもの減量を達成しました。
ミッドシップに搭載される4.3リッターの自然吸気V型8気筒エンジンは最高出力510馬力を発生。レーシングエキゾーストシステムが奏でる突き抜けるような咆哮は、ルーフを開け放つことでドライバーの五感をダイレクトに刺激します。
パワーを受け止めるシャシまわりには、強力なカーボンセラミックブレーキが標準装備されているほか、ステアリングに配されたマネッティーノ・スイッチによって車両挙動を緻密にコントロールすることが可能です。
今回出品されたシャシ番号「169659」の個体は、新車時にモータースポーツの血統を強く感じさせる「ロッソ・スクーデリア(明るいレッド)」のボディカラーに、スパルタンな「ネロ(ブラック)アルカンターラ」のインテリアを組み合わせて仕立てられました。
さらに、エクステリアのカーボンファイバーパッケージや、室内をよりレーシーに引き締めるカーボンファイバー製レーシングシートなど、コレクター好みの贅沢なオプションが多数選択されています。新車時からのオリジナル性を証明するワランティカードやオーナーズガイドも完備されており、極めて大切に保管されてきた素性の良さが随所に光る1台です。
電子制御やハイブリッド化が進んだ現代のモデルとは一線を画す、自然吸気V8エンジンの超高回転なレスポンスとダイレクトな操縦性を持つ16Mは、二度と作ることができない跳ね馬の歴史的遺産として世界的な再評価を受けています。
美しいテーゲルンゼーの舞台で行われたオークションにおいて、世界中の熱心なコレクターたちが激しい争奪戦を繰り広げた結果、最終的に65万1875ユーロ(日本円で約1億1000万円)という金額で落札され、その極めて高い歴史的価値を証明しながら次なる未来へと引き継がれました。
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