わずか55台しか作られなかった究極の“空冷カレラRS”を発見 日本にもゆかりの深い「黄色いポルシェ」とは
わずか55台のみが生まれた究極のホモロゲーションモデル
2026年8月に開催されるRMサザビーズ主催の「モントレー・オークション2026」にて、空冷ポルシェの歴史の中でも特に異彩を放つ伝説的な1台が出品されます。
その車両は、1993年式ポルシェ「911 カレラRS 3.8(Type 964)」。世界中のコレクターから熱い視線を集めています。
1989年に登場した第3世代のポルシェ911(964型)は、全体の約85%ものパーツが刷新された革新的なモデルでした。その964世代の有終の美を飾るように1993年に生み出されたのが「カレラRS 3.8です。
このモデルは、サーキットで目覚ましい実績を残したレーシングカー「3.8RSR」の参戦権(ホモロゲーション)を獲得するために開発された公道仕様車であり、総生産台数はわずか55台にとどまります。
迫力あるワイドボディや巨大なリアウイング、3ピースの「Speedline for Porsche」製ホイールが外観上の大きな特徴となっています。
カレラRS 3.8の魅力は、妥協を許さない徹底した軽量化アプローチにあります。ボンネットやドアには軽量なアルミニウムが採用され、ウィンドウガラスも薄型化されました。

さらにインテリアからは、リアシートをはじめ、パワーウィンドウや電動ドアロック、果ては防音材やアンダーコーティングに至るまであらゆる贅肉が削ぎ落とされています。その結果、標準的なカレラ2と比較して約272kgもの軽量化を達成しました。
心臓部にはボアアップされた3.8リッターの水平対向6気筒エンジンが搭載され、最高出力300馬力を発揮します。強化された6速MTとの組み合わせにより、0-60mph(約96km/h)加速は5秒未満、最高速度は170mph(約273km/h)に達する圧倒的なパフォーマンスを誇ります。
今回出品される個体は、ポルシェを象徴する鮮やかな「スピードイエロー」のボディカラーを身に纏っています。ブラックとグレーのレザーレーシングシートを備えたスパルタンな室内には、珍しくポルシェ純正のCDラジオが装着されています。
1993年12月に完成したこの個体は、ドイツのレーサーのもとへ納車された後、まもなく日本へ輸出されました。以降2015年までのおよそ20年以上にわたり、日本の地で大切に保管・所有されていたという歴史を持ちます。その後アメリカへと渡り、著名なポルシェコレクションの一角を占めることとなりました。
カタログ制作時の走行距離はわずか8117kmと非常に少なく、エンジンも新車時からのマッチングナンバーを保持しています。製造から25年以上が経過した現在では法的な輸入制限も解除されており、公道で制限なくその走りを楽しむことができます。
空冷ポルシェの歴史における真の到達点であり、日本との深いつながりも持つこの911カレラRS 3.8は最高のコレクターズアイテムといえるでしょう。
オークションでの予想落札価格は200万ドルから250万ドル(日本円で約3億円以上)と試算されています。
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