「唯一無二の温泉、知っている?」日本に生まれて良かった… “重要文化財の中”でお湯に浸かれちゃう! 伝統建築と名湯を両立した「温泉施設」3選
続いては長野県と愛媛県に位置する温泉施設
●上諏訪温泉「片倉館」
次に取り上げるのは、長野県諏訪市の上諏訪温泉にある「片倉館」です。
1928年に完成した片倉館は、製糸業によって発展した片倉財閥が、地域住民の厚生や社交の場として建設した施設です。2011年には国の重要文化財に指定されています。

設計を手がけたのは東京帝国大学出身の建築家・森山松之助。ゴシックリバイバルやロマンティックリバイバルなど、さまざまな西洋建築の要素を取り入れたデザインが特徴で、窓や切妻、レリーフなどにも独特の雰囲気があります。
そして、片倉館を訪れたら外せないのが、大浴場「千人風呂」です。
名前の通り大人数が入浴できるほど広々とした浴槽は大理石造りで、深さは約1.1m。浴槽の底には玉砂利が敷かれており、立ったまま入浴すると足裏にほどよい刺激が伝わります。
浴室の周囲にはステンドグラスや彫刻も施されており、温泉に浸かりながら建物の装飾を眺められるのもポイントです。
●道後温泉「道後温泉本館」
最後は、愛媛県松山市を代表する温泉施設「道後温泉本館」です。
約3000年の歴史を持つとされる道後温泉のシンボルであり、1994年には公衆浴場として初めて国の重要文化財に指定されました。

現在の本館は1894年に改築された木造三層楼で、屋上に設けられた振鷺閣や、1日3回鳴らされる刻太鼓など、道後温泉ならではの景観を形づくっています。
また、2019年から行われていた大規模な保存修理工事は2024年12月に完了。歴史ある建物を次の世代へ残すための整備も行われています。
温泉はアルカリ性単純泉で、きめ細やかでなめらかな湯が特徴です。18本の源泉から汲み上げた湯をブレンドし、約42度に調整。加温や加水をせず、源泉かけ流しで楽しめます。
館内には「神の湯」「霊の湯」が設けられているほか、日本で唯一の皇室専用の湯殿「又新殿」を見ることもできます。なお、道後温泉本館は公衆浴場のため宿泊施設はなく、日帰りでの利用となります。
※ ※ ※
今回紹介した3施設は、それぞれ建てられた時代も背景も異なります。しかし共通しているのは、重要文化財に指定されるほど価値のある建築を、現在も温泉施設として利用できることです。
ただ湯に浸かるだけではなく、建物の歴史や職人の技、地域に受け継がれてきた温泉文化まで感じられるのが、こうした施設ならではの魅力となっています。
次の温泉旅行では、泉質や露天風呂だけでなく、「どんな建物で湯に浸かれるのか」に注目してみるのも面白そうです。
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