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最高時速320キロは当時の“世界最速のオープンカー” 21年前なのに走行7400キロ クウェート王室に納車された「スーパーアメリカ」は希少な6速MT仕様

いまオークション市場では「最後のアナログ・フェラーリ」が人気

 フェラーリのなかでも、とりわけコレクターから注目されるのが「生産台数の少なさ」と「希少な仕様」です。

 今回、RMサザビーズのチューリッヒ・オークションに出品される2005年式フェラーリ「スーパーアメリカ」は、その両方を満たした非常に興味深い1台です。

 まず驚かされるのが、6速MTを搭載していることです。

 スーパーアメリカは575Mマラネロをベースに2005年から生産された限定モデルで、総生産台数はわずか559台。そのうち、フェラーリ伝統のオープンゲート式6速MTを選択したのは、なんと43台しかありませんでした。

 大半のオーナーがF1タイプのセミATを選択するなか、あえてクラッチペダルとシフトレバーを操作する仕様を選んだ、まさに「走りを楽しむためのスーパーアメリカ」です。

 しかも今回の個体には、さらに価値を高める要素があります。新車時のオーナーがクウェート王室だったのです。

 2005年10月にクウェートの正規ディーラーから王室へ納車され、その後同国内のオーナーを経てスイスへ渡っています。

 スーパーカーにとって「誰が最初に所有したのか」は、コレクション価値を左右する重要なポイントです。王室という華やかなヒストリーは、このクルマならではの魅力でしょう。

オークションに出品される2005年式フェラーリ「スーパーアメリカ」Simon Gosselin(c)2026 Courtesy of RM Sotheby's
オークションに出品される2005年式フェラーリ「スーパーアメリカ」Simon Gosselin(c)2026 Courtesy of RM Sotheby's

 さらに、走りの面でも特別です。搭載される5.7リッターV型12気筒自然吸気エンジンは最高出力533馬力を発揮し、最高速度は約320km/h。当時、世界最速のコンバーチブルを名乗ることができるほどの性能を誇りました。

 そして、このクルマには「HGTC(Handling Gran Turismo Competizione)」パッケージも装着されています。

 カーボンセラミックブレーキ、チタン製エキゾースト、専用サスペンション、高速域での応答性を高めるハイレシオ・ステアリングなどを備えた、よりスポーティな仕様です。19インチの分割リムホイールも組み合わされ、単なる豪華なオープンGTではなく、走りにもこだわったモデルとなっています。

 もうひとつ見逃せないのが「Revocromico」と呼ばれる電動回転式ルーフです。カーボンファイバー製のフレームにガラスパネルを組み合わせ、ボタン操作でルーフを後方へ回転させる独創的な構造を採用しています。さらにガラスの透過率まで調整できるという、当時としては非常に先進的な装備でした。

 今回の予想落札価格は85万~100万スイスフラン。日本円にすると、おおむね1億6000万円~1億9000万円程度という非常に高額なレンジです。

 なぜここまで高いのでしょうか。理由は単純な「限定車だから」ではありません。

 559台という生産台数の少なさに加え、そのなかでもMTはわずか43台。さらに王室への納車という来歴、HGTCパッケージ、走行距離7437km、そして2024年に取得したフェラーリ・クラシケ認証まで揃っています。つまり「希少なフェラーリ」「MT車」「特別仕様」「由緒ある履歴」という、コレクターが評価する条件がほぼすべて揃っているのです。

 近年は、電子制御やATが当たり前になる以前の「最後のアナログ・フェラーリ」への評価が高まっています。

 そう考えると、このスーパーアメリカは単なる15年以上前の中古フェラーリではなく、今後さらに希少性が増していく可能性を秘めた1台といえそうです。

Gallery 【画像】超かっこいい! 銀の「スーパーアメリカ」を写真で見る(12枚)(12枚)
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