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自分でも分からない“理想の家”をAIが見つける!? 自宅写真をリクシルに見せてみた結果

「Design Style」の展示。色や素材、住宅設備を一つずつ選び始めるのではなく、まず好みの世界観をつかみ、その方向性から複数商材をコーディネートしていくための手掛かりを用意する。
「Design Style」の展示。色や素材、住宅設備を一つずつ選び始めるのではなく、まず好みの世界観をつかみ、その方向性から複数商材をコーディネートしていくための手掛かりを用意する。

「リビング」がない理由にも、開発の葛藤がありました

 なぜ「リビング」という家を考える時にあって当然の選択肢がないでしょうか。先ほどの違和感も、山形氏へ聞いてみました。

 山形氏によれば、当初は「リビング」「リビングキッチン」という表記も検討していました。ただ、リビングの写真ではキッチンが十分に写っていない場合があり、シミュレーションが難しくなるケースがある。加えて、ショールームではキッチンを検討する来場者が多いことから、現状は「キッチン」という名称を採用したといいます。
 筆者の写真で生成できたからといって、あらゆるリビング写真に正式対応しているわけではありません。生活者が思い浮かべる場所と、サービスが必要とする写真を、画面の言葉でどうつなぐか。AIの性能とは別の課題が残ります。

 また、現状の画像生成は主として選んだDesign Styleと対象部位を基に行います。質問で回答した価値観まで画像へ反映し、より個別性を高めるのは今後の構想です。

 すべての回答がすでに画像へ反映されると考えると、期待が先走ります。だからこそ、現在できることと、これから育てる部分を区別して伝えることも大切です。

自宅や検討中の部屋の写真はスマートフォンからアップロードできる。身近な端末から実際の住空間を取り込むことで、汎用的な完成イメージではなく、自分の家を起点にシミュレーションを始められる。
自宅や検討中の部屋の写真はスマートフォンからアップロードできる。身近な端末から実際の住空間を取り込むことで、汎用的な完成イメージではなく、自分の家を起点にシミュレーションを始められる。

素敵な画像だけでは、メーカーがやる意味はない

 生成された部屋を見て「このキッチンはどこで買えるの?」と尋ねたら、実在しない商品だった。そんなことになっては、具体的な検討へ進めません。

 今回の仕組みは、実在商品とデザイン提案をつなぐことを重視しています。困りごとに対しても、単品だけでなく複数の商品による解決を提示し、気になった製品はショールームで実物を確かめられます。

 キッチンを選んだ場合でも、同じスタイルのトイレや浴室、洗面の参考イメージを提示します。ひとつの設備の買い替えを、住まい全体を考えるきっかけに広げる。LIXIL側には複数の商品を提案する商機があり、利用者には空間を揃えた場合の見通しが生まれます。単に画像を生成できるだけでは得られない、総合メーカーならではの価値です。

 ただし、生成画像がそのまま施工可能な設計図になるわけではありません。寸法や現場条件との適合確認は別途必要です。現時点では概算費用も表示せず、施工費などを含む実際の見積もりは工務店などで確認する流れになります。

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滝田勝紀
滝田勝紀
VAGUE家電統括プロデューサー
モノ雑誌の編集に15年以上携わり『デジモノステーション』編集長を歴任。現在は家電スペシャリストとして、国内外の最新テクノロジーを長年取材。All About家電ガイドやMakuakeエバンジェリスト、楽天ROOM公式インフルエンサー(フォロワー56万人超)など幅広く活動する。海外取材経験も豊富で、欧州家電メーカー本社や世界最大級の見本市「IFA」への造詣も深い。また、Z世代向けメディア運営やPR会社経営の傍ら、インテリアスタイリスト窪川勝哉氏とのユニット「𝒾𝓃𝒞𝒶𝒹𝑒𝓃𝓏𝒶」で家電開発も手掛ける。機能とデザインの両面から、心地よい暮らしのあり方を提唱している。

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