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自分でも分からない“理想の家”をAIが見つける!? 自宅写真をリクシルに見せてみた結果

新設された「Lifescape Partner」の役割を示した発表資料。対話によって理想を言語化し、空間提案やAIシミュレーターを使いながら検討を支え、必要に応じて専門スタッフや施工事業者へつなぐ。
新設された「Lifescape Partner」の役割を示した発表資料。対話によって理想を言語化し、空間提案やAIシミュレーターを使いながら検討を支え、必要に応じて専門スタッフや施工事業者へつなぐ。

AIを導入して、人間の相談役も新設する

 新エリアには、2名の「Lifescape Partner(ライフスケープパートナー)」を配置します。利用者の希望を言語化し、空間展示やシミュレーターを使いながら検討を助ける、新しい役割です。

 林氏は、利用者自身も何が欲しいのか分からない段階で「まずそこを一緒に言語化する」と説明します。そしてその先の商品説明や見積もりへ引き継ぎ、必要ならリフォームコンシェルジュを通じて施工事業者の紹介にもつなぎます。

 AIを入れたから人を減らす、ではなく、人がどこで関わると役立つかを組み直しているのです。

 将来的にはオンラインでの提供も構想されていますが、取材時点ではあえてショールーム体験の一部に位置づけています。まず東京で、体験を成立させるために欠かせない連携を見極め、他拠点などへの展開を考えるといいます。

 画像では分からない素材の手触りや使い勝手を実物で確かめ、人と相談する。デジタルとリアルを競わせるのではなく、違う役割を担わせる設計です。

選択した「困りごと」に応じて、解決につながるLIXILの商品を複数提示する画面。生成したイメージを眺めて終わるのではなく、ショールームで実物を確認できる商品提案へつなげている。
選択した「困りごと」に応じて、解決につながるLIXILの商品を複数提示する画面。生成したイメージを眺めて終わるのではなく、ショールームで実物を確認できる商品提案へつなげている。

AIが見つけるのは、正解の家ではなく「暮らしの希望」

 筆者が今年3月の取材で聞いた「Lifescape Design」は、住まいの空間と、そこで過ごす時間を一緒に考えるLIXILのブランド思想でした。それが半年ほどでこのショールームで、展示、接客、AIという体験に落とし込まれ始めています。

 会社を経営する立場から見ると、広告の言葉を変えることと、部門をまたいで仕事の進め方を変えることは別です。商品担当者、デザイナー、デジタル部門、接客スタッフをつなぎ、ブランドの考え方を現場の行動へ移した点にも注目したいと思います。

 もちろん、今回の体験はまだ発展途上です。ただ、筆者が家を買った頃にこれがあれば、完成した箱を比較するだけでなく、自分が大切にしたい時間から考えられたかもしれません。

 AIで家をつくるのではなく、AIで自分が欲しかった暮らしに気づく。

 「新しいキッチンが欲しい」が、「家族と話しながら料理をしたかったんだ」に変わる。そんな発見が生まれたなら、AIは画像一枚をつくる以上の仕事をしたといえるでしょう。理想の住まいへの第一歩は、商品を選ぶことではなく、自分の希望に言葉が与えられることなのかもしれません。

Gallery 【画像】自宅写真が“理想の部屋”に変わるAI体験の画像を見る
ロケット級の飛びは本当?新「ZXi RKTドライバー」をアマチュアが本音試打
滝田勝紀
滝田勝紀
VAGUE家電統括プロデューサー
モノ雑誌の編集に15年以上携わり『デジモノステーション』編集長を歴任。現在は家電スペシャリストとして、国内外の最新テクノロジーを長年取材。All About家電ガイドやMakuakeエバンジェリスト、楽天ROOM公式インフルエンサー(フォロワー56万人超)など幅広く活動する。海外取材経験も豊富で、欧州家電メーカー本社や世界最大級の見本市「IFA」への造詣も深い。また、Z世代向けメディア運営やPR会社経営の傍ら、インテリアスタイリスト窪川勝哉氏とのユニット「𝒾𝓃𝒞𝒶𝒹𝑒𝓃𝓏𝒶」で家電開発も手掛ける。機能とデザインの両面から、心地よい暮らしのあり方を提唱している。

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