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初代ホンダ「NSX」が35台限定で“転生”!? 名門ピニンファリーナが手がけた「テンセイ」世界初公開! 3.5リッターV6+6速MTの中身とは

自然吸気V6エンジンは約426馬力を発生! 6速MTを採用した理由とは?

 新型「テンセイ」の魅力は、ピニンファリーナが手がけた美しいデザインだけではありません。むしろ、往年の「NSX」ファンにとって、パワートレインの構成こそが最大の注目ポイントかもしれません。

「テンセイ」のミッドシップに搭載されるのは、3.5リッターのV型6気筒自然吸気エンジン。このエンジンの開発を担当したのは、英国のジャッド・パワー(Judd Power)で、同社はF1やル・マン24時間レースなど、世界最高峰のモータースポーツで培ったエンジン開発技術を持つ専門メーカーです。

「テンセイ」のエンジンは、初代「NSX」のV6自然吸気をベースに大幅な改良を加えたもの。排気量を3.5リッターに拡大し、現代の技術を取り入れることで性能を向上させています。

 JASによると、最高出力は420bhp(約426ps/313kW)、最大トルクは350Nm。エンジンの回転リミットは8500rpmに設定されています。

 エンジン内部には、専用クランクシャフトや軽量鍛造ピストン、鍛造コンロッドなどを採用。さらに、各気筒に独立した6連スロットルを組み合わせることで、アクセル操作に対する鋭いレスポンスを追求しています。

 排気系には、専用のステンレス製エキゾーストマニホールドを採用し、テールエンドにはチタン製のエキゾーストフィニッシャーを組み合わせています。

 ちなみにエンジンは、ジャッド・パワーの施設で1基ずつベンチテストを実施。最高出力だけでなく、扱いやすさや信頼性も重視して開発されているといいます。

 このV6エンジンと組み合わされるトランスミッションは6速MT。近年のスーパーカーは、瞬時の変速を可能にするデュアルクラッチ式トランスミッションや電動パワートレインの採用が進んでいますが、エンジンの回転上昇を楽しみ、ドライバー自身がシフト操作をおこないながらクルマの挙動をコントロールすることを目指した「テンセイ」は、あえてMTを採用しています。

ホンダ初代「NSX」ベースの新しいスーパーカー「テンセイ」
ホンダ初代「NSX」ベースの新しいスーパーカー「テンセイ」

 現代の技術を駆使し、初代「NSX」が大切にしていたドライビング体験を再構築するというねらいも、MTが採用された理由のひとつです。トランスミッションには改良型のシフト機構を採用。軽量フライホイールやツインプレートクラッチ、専用セッティングのLSD(リミテッド・スリップ・ディファレンシャル)も組み合わされています。

 足まわりには、減衰力を調整できるKW製サスペンションを採用。フロントには車高を一時的に引き上げるリフトシステムも備え、日常での使い勝手にも配慮しています。

 ブレーキシステムにはブレンボ製を採用。フロントに6ピストン、リアに4ピストンのキャリパーを装備し、オプションでカーボンセラミックブレーキも選択できます。

 ホイールはフロント19インチ、リア20インチの異径サイズを組み合わせ、タイヤは前245/35R19、後285/30R20というサイズ設定となっています。

 一方、インテリアもピニンファリーナによって再設計されています。基本となるのは、ドライバーを中心に据えたコックピットという、初代「NSX」の思想です。

 不要な装飾を抑え、操作性と視認性を重視した室内には、上質な素材や精密に仕上げた金属製パーツを採用。現代的な高級感を備えながら、クルマを操る楽しさに集中できる空間を目指しています。

 さらに、素材やカラーなどには幅広いパーソナライズメニューを設定。オーナーの好みに合わせて、世界に1台だけの「テンセイ」に仕立てることも可能です。

 そんな「テンセイ」の生産台数は、世界限定わずか35台。生産はイタリア・ミラノ近郊のアルルーノにあるJASモータースポーツの専用施設でおこなわれ、特別なオーダーメイド仕様については、トリノ近郊にあるピニンファリーナのアトリエも製作に協力します。

 現状、車両価格などに関する正式発表はありませんが、2026年10月12日に開幕する「パリモーターショー2026」で実車が一般公開される予定です。

* * *

 初代「NSX」が誕生してから36年。スーパーカーの世界では電動化や高度な電子制御が進み、速さを実現するための技術も大きく様変わりしてきました。

 そんな時代にあって「テンセイ」が選んだのは、V6自然吸気エンジンと6速MT、そして軽量なミッドシップボディという組み合わせです。

 それは単なる懐古趣味ではなく、初代「NSX」が追求した“人間が主役のスポーツカー”という思想を、現代に受け継ごうとする試みといえるでしょう。

Gallery 【画像】初代「NSX」の面影が残る! 35台限定の新型スーパーカー「テンセイ」を写真で見る(25枚)

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