いまや“船”まで手がける!? 名門チューナー「ブラバス」はなぜ高級住宅やアパレルにも進出? 世界77台限定の1000馬力GT「ボド」に宿る父子の哲学とは?
1977年の親子ゲンカが出発点! ブラバスがクルマの枠を超えた理由とは?
メルセデス・ベンツのチューナーとして名を馳せるブラバス(BRABUS)。その始まりは、決して壮大なものではありませんでした。
1977年、ドイツ・ボットロップの学生だったボド・ブッシュマン氏が、大学時代の友人であるクラウス・ブラックマン氏を巻き込んで設立した小さな会社が出発点。ブラバスという社名は、ブラックマン(BRA)とブッシュマン(BUS)、両者の姓の最初の3文字を組み合わせただけのものです。
創業のきっかけは親子ゲンカだったのだとか。学生時代、ポルシェ「911」を乗り回していたボド青年に対し、メルセデス・ベンツのディーラーを営む父親は「店舗の前にポルシェを停めるな。停めるならメルセデス・ベンツにしろ」と迫ったのです。
渋々「911」を手放し、「Sクラス」(W116型)に乗り換えたボド氏は、自分好みのクルマにすべくチューニングを始め、それがそのままビジネスへと発展していきました。
創業当初は文字どおり家族経営で、拠点はブッシュマン家の自宅ガレージだったといいます。共同創業者のブラックマン氏は、会社設立に必要だった共同出資者としての役目を終えると、早々に持ち株をボド氏へ売却して身を引きました。
以来、ブラバスは、ブッシュマン家の完全な同族企業として半世紀近くの歴史を歩んできましたが、ボド氏は2018年4月に急逝。後を継いだのが息子のコンスタンティン・ブッシュマン氏でした。
ブラバスの事業多角化は、実はボド氏の存命中から始まっていました。2018年にはフィンランドのボートブランドであるアクソパーと協業し、ブラバス・マリンを創設。「シャドウ」シリーズを世に送り出します。その後、コンスタンティン氏のもとで事業領域の拡大はさらに加速していきました。

ファッション分野では、2021年にストリートウェアを中心とした「ブラバス・コレクション01」を立ち上げ、2025年にはアブダビで高級住宅開発事業のブラバス・アイランドを発表しました。
さらに2026年に入ると、今度はより本格的なヨットブランドであるABヨッツとの協業でブラバス・ヨットを立ち上げるなど、事業領域は自動車の枠を軽々と飛び越えています。
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