マツダのロータリースポーツ“復活へ前進”か!? 新たな特許出願が相次いで公開!「510馬力の新世代クーペ」実現につながる技術とは?
510psのロータリーPHEVが登場! 次世代スポーツカー実現への期待
こうしたロータリーエンジンに関する技術開発が注目されるのは、マツダが近年、ロータリーを搭載した新たなスポーツモデルの可能性を相次いで示しているからです。
マツダは2012年に、ロータリーエンジン搭載の4ドアスポーツカー「RX-8」の生産を終了。その後、2023年に、発電用ロータリーエンジンを搭載した「MX-30 ロータリーEV」を発売し、約11年ぶりにロータリーエンジンの量産を再開しています。
しかし「MX-30 ロータリーEV」のロータリーエンジンは、走行用モーターへ供給する電力を発電するためのものであり、かつての「RX-7」や「RX-8」のように、ロータリーエンジンの力で直接、タイヤを駆動することはありません。
そんななか、「ジャパンモビリティショー2023」で発表され、大きな注目を集めたのが、コンパクトスポーツカーのコンセプトモデル「アイコニックSP」です。
流麗なロングノーズ&ショートデッキのスタイリングが印象的なこのモデルは、2ローターのロータリーエンジンを発電用に使用する“ロータリーEVシステム”を採用。システム最高出力は370psで、車両重量1450kg、前後重量配分50:50という、本格スポーツカーらしいスペックを備えていました。
そして翌2024年2月、マツダは約6年ぶりに“RE開発グループ”を復活させると発表。主要市場の排ガス規制への対応や、カーボンニュートラル燃料への適合などを目指し、ロータリーエンジンの研究開発を加速させています。
そんなマツダのロータリー開発が、さらなる進化を遂げていることが示されたのが、「ジャパンモビリティショー2025」で世界初公開された「ビジョン クロスクーペ」です。
同モデルは、マツダのデザインテーマである“魂動”をさらに進化させたクロスオーバークーペのコンセプトモデル。流れるようなルーフラインと伸びやかなボディが特徴ですが、クルマ好きにとって見逃せないのは、やはりそのパワートレインでしょう。

搭載されるのは、2ローターのロータリーターボエンジンとモーター、バッテリーを組み合わせたPHEV(プラグインハイブリッド)システム。システム最高出力は510psで、モーターのみで160km、ロータリーエンジンを併用すれば最大800kmの航続距離を確保するとしています。
さらに興味深いのが、ロータリーエンジンの役割。発電機としてだけではなく、車輪を直接駆動する用途を想定していることが明らかにされています。これは、発電専用のロータリーエンジンを採用した「MX-30 ロータリーEV」や「アイコニックSP」とは大きく異なるポイントです。
ロータリーエンジンの回転上昇に伴う独特のサウンドやフィーリングを、ドライバーが直接楽しめるスポーツモデルへの可能性を示していたのです。
そして、今回公開された複数の特許出願にも注目したいところ。いずれも排ガスの熱を適切に制御する技術であり、高い走行性能と環境性能の両立を目指すマツダの開発姿勢がうかがえます。
もちろん、これらの特許技術がそのまま「ビジョン クロスクーペ」に搭載されると決まったわけではありません。それでも、高出力を追求する一方、厳しさを増す排ガス規制にも対応するという開発課題は、ロータリーエンジンを再びスポーツカーの動力源として活用する上で、避けてはとおれないテーマです。
マツダの梅下隆一CTO(最高技術責任者)は以前、ロータリーエンジンの環境性能について一定の技術的な見通しが立ちつつある一方、各国の規制に対応しながらロータリーならではの魅力を実現するには、もう少し時間が必要だと説明しています。つまり、ロータリースポーツの復活には、走行性能だけでなく、環境性能を両立させるための技術革新が欠かせないようです。
2024年の“RE開発グループ”の復活に続き、2025年には、システム最高出力510psを誇るロータリーターボ搭載のコンセプトカーを公開。そして2026年には、ロータリーエンジンの課題克服につながる複数の特許出願を公開したマツダ。
発電するためのロータリーから、再びエンジンの力で走りを楽しむロータリーへ。マツダが目指す次世代ロータリースポーツの実現に向け、技術開発が着実に積み重ねられていることは確かなようです。
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