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50年経っても“操る楽しさ”は色あせない!? フォルクスワーゲン「ゴルフ GTI」を富士スピードウェイで徹底試乗! 進化しても変わらない魅力とは

サーキットで見せた驚きの軽快感! 電子制御だけに頼らない「GTI」らしい走りの魅力

 ヘルメットとグローブを装着し、いよいよコースイン。アクセルペダルを踏み込み最初のコーナーへとアプローチした瞬間、「ゴルフGTI」の持つ圧倒的な“軽快感”に息をのみます。

 1430kgという車重を感じさせない身のこなしは、“プログレッシブステアリング”と「GTI」専用サスペンションの絶妙なコンビネーションによるもの。ステアリングをわずかに切り込むだけで、スッとノーズがインを向く初期回頭性のシャープさは特筆すべきレベルにあります。

 そして、ノーズがインを向いた直後から“XDS”と電子制御油圧式フロントディファレンシャルロックが本領を発揮。旋回時には“XDS”が内輪側にブレーキをかけて空転を抑え、フロントディファレンシャルロックが左右の駆動力の伝達を最適化することで、前輪が路面をしっかりとつかんで車体を力強く引っ張っていきます。

 驚かされるのは、フロントの回頭性のよさに負けないリアの圧倒的な落ち着きです。その鉄壁のスタビリティと懐の深さは、まるで4WDを走らせているかのような錯覚すら覚えさせ、極めて安定した姿勢のままコーナーを立ち上がっていきます。

 しかし、日本のサーキット特有のタイトコーナーからの強烈な立ち上がりなど、限界領域までペースを上げると、「ゴルフGTI」はドライバーに対して極めて基本に忠実な“セオリー”を厳しく要求してきます。

 コーナーへの進入で的確にブレーキを残して前荷重をつくり、ノーズをクリップへ向けるプロセスを疎かにしてラフにアクセルペダルを踏み込めば、さすがの“XDS”をもってしてもフロントのトラクションを確保しきれず、外へ逃げてしまうシーンが顔を出します。だからこそ、ドライバーは的確な荷重移動でフロントタイヤを路面に押しつけ、タイヤの限界を手なずける必要があります。

フォルクスワーゲン「ゴルフ GTI」
フォルクスワーゲン「ゴルフ GTI」

 クルマがすべてを解決してくれるのではなく、ドライバーとクルマが格闘しながら汗をかくピュアな歓びこそが、「ゴルフGTI」の真骨頂なのだと実感させられます。

 実は今回のテスト走行は、メディア向け試乗会の最終枠ということもあり、装着タイヤはすでに摩耗しきった極めて厳しい状態でした。しかし、グリップレベルが極端に低下した過酷な状況下だったからこそ、「ゴルフ」のシャシーそのものが持つ基本素性の高さがはっきりと浮き彫りになりました。

 ステアリングを通じて伝わってくるのは、「タイヤで曲がる」というよりも、まさに「シャシーで曲がる」という実感です。タイヤの表面的なグリップに依存せずとも、強固なボディと緻密にセットされたサスペンションが路面をとらえ続け、グリップの限界付近でも挙動が急激に破綻することがないのです。

 さらに感銘を受けたのは、サーキットでの連続走行に耐えうるパワートレインとトランスミッションの驚異的なタフネスぶりです。ミニサーキットでの息つく暇もない加減速をほぼクーリングなしで繰り返しても、2リッターターボエンジンの熱ダレは最小限に抑えられ、デュアルクラッチ式トランスミッションの“DSG”やブレーキ、駆動系も一切音を上げることはありませんでした。この強靭さこそが、フォルクスワーゲンのクルマづくりに対する絶対的な信頼感に直結しています。

フォルクスワーゲン「ゴルフ GTI」
フォルクスワーゲン「ゴルフ GTI」

 誕生から50年。電子制御がどれほど進化しようとも、「ゴルフGTI」は“ドライバーが操る”という絶対的な主導権を手放していません。そして、走らせるほどにドライバーが“ホット”な気持ちになり、日常の街乗りから非日常のサーキットまでシームレスにつながっている懐の深さも健在でした。

 上位に「ゴルフR」というハイパフォーマンスモデルが存在する現代においても、今回サーキットで極限まで対話してみて確信しました。「GTI」の軸は、50年前から何ひとつブレていない、と。

 ともに半世紀という年月を重ねてきた同世代として、この永遠のベンチマークが今なお色あせることのない情熱を持ち続けている事実に、深い共感と喜びを覚えずにはいられません。そして、自分自身もこのクルマに負けじと、まだまだ現場で汗をかきながら進化し続けなければならないと強く心に誓ったのでした。

Gallery 【画像】伝統のレッドラインとスポーティな走りに注目! サーキットで試した「ゴルフ GTI」を写真で見る(30枚以上)

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