スペシャライズドの世界最軽量グラベルバイクが至高のライドフィールを生み出せた秘密とは?
軽量ロードバイクの最新技術をフィードバック
自転車界で世界的なトレンドとなっている“グラベルバイク”(“グラベルロード”ともいう)は、ドロップハンドルを装備したロードバイクながら、荒れた未舗装路(グラベル)も走れる走破性を兼備。そんなホットなジャンルに、スペシャライズドが世界最軽量の新作モデル「Crux」を投入した。
グラベルバイクはグラベルを走るため、オフロードでもグリップが良好で振動吸収性にも優れた太いタイヤを装備しているのが特徴。どちらかというと長距離のアドベンチャーツーリングに使用されることが多いため、軽さや反応性よりも長距離ライドで疲れにくい快適性が重視され、その分、重量は重くなりがちだった。
そんななか登場したスペシャライズドの「Crux」は、最上級グレードであるS-Worksのフレームセットで725g、完成車で7.25kg(S-Works完成車は日本での展開なし)、Pro/Compグレードでもフレームセットで825gという軽さを実現している。これほど軽く仕上げられた理由について、スペシャライズドジャパンで製品説明を担う部署であるSBCUの下松仁さんは次のように語る。
「スペシャライズドのロードバイク『Aethos』において大きな飛躍を果たした、カーボン技術が軽さのカギを握っています。『Aethos』では10万パターン以上のテストフレームをスーパーコンピュータで解析してフレーム形状を最適化。余分な補強用のカーボン積層を取り除くことができ、強度や耐久性を損なわず大幅な軽量化を果たせました。グラベルバイクの『Crux』にも同様のテクノロジーを導入しています」
「Aethos」は完成車で5.9kgという驚きの軽さを実現した同ブランドのロードバイク。ロードレースを統括するUCI(国際自転車競技連合)が定める最低重量6.8kgよりもはるかに軽く仕上がっている。
また「Crux」には、オフロードを走るレース“シクロクロス”で培われた技術もフィードバックされている。それによって実現したライドフィールは、どのようなものなのだろう?
「『Crux』はペダリングもハンドリングもキビキビとしており、“俊敏”という言葉がぴったりのバイクです。これは数々の勝利を収めてきたシクロクロス用自転車のバックグラウンドから培われた特徴です。かといって、ただ硬いバイクになっているわけではありません。重心の低さが安定性をもたらしてくれる上に、路面からの突き上げを緩和してくれるので、オフロードを走っても安心できるバイクに仕上がっています」(下松さん)
●“走り”に徹したミニマルなデザイン
実はスペシャライズドには、すでに「Diverge」というグラベルバイクが存在する。同じジャンルにカテゴライズされる「Crux」だが、どのような差別化が図られているのだろうか?
「『Crux』は『Aethos』同様、ミニマムを極めたグラベルバイクです。そのため『Diverge』のようなフレーム内のストレージ機能である“SWATドア”や、フェンダーマウントなどのアタッチメント機能はありません。ジオメトリーもコーナリング中にもペダリングするシクロクロスレースにも対応させるため、『Diverge』とは別物になっています」(下松さん)
どちらかというと、長距離のオフロードライディングを視野に走破性や安定性を重視した「Diverge」に対し、「Crux」はストレージ機能やフェンダー取りつけ穴などを廃し、シートポストクランプやディレーラーハンガーといったスモールパーツも必要に応じて「Aethos」と同じものを採用するなど、走るために必要な最小限の装備に絞り込むことで、俊敏なライドフィールを実現している。
“Rider-First Engineered”と呼ばれる、すべてのサイズで同じライドフィールを実現するスペシャライズド独自の設計技術を採用しているのも、走りにこだわる同ブランドらしいところであり、乗る人の身体の大小に関わらず誰もが至高のフィーリングを味わえる。太いタイヤを装着するグラベルバイクは、舗装路での衝撃吸収性に優れる上にロードバイクに慣れない人にも乗りやすいという美点を持つが、軽快な走りも妥協したくないという欲張りな乗り手にとって、「Crux」は最適な選択肢となりそうだ。
●製品仕様
☆S-WORKS CRUX FRAMESET
・価格:58万3000円(消費税込、以下同)
・サイズ:49、52、54、56
☆CRUX PRO
・価格:94万6000円
・サイズ:49、52、54、56
☆CRUX COMP
・価格:49万5000円
・サイズ:49、52、54、56
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