VAGUE(ヴァーグ)

ポルシェ「タイカン」と何が違う? 試乗して分かったアウディ新型「RS e-tronGT」が勝っている点とは

運転して分かった「タイカン」との違いとは

 パワートレインは、フロント175kW(238ps)、リア335kW(455ps)を発生する2基の永久磁石同期式モーターによる4WDのクワトロ方式のもの。システム最高出力はオーバーブースト時で475kW(646ps)/830Nm、通常時で440kW(598ps)。リアアクスルには、強力な加速をもたらすローと、巡航時に使用するハイの2段の自動変速トランスミッションを搭載しているのはタイカンと同じだ。

アウディの電気自動車のフラッグシップである「RS e-tronGT」
アウディの電気自動車のフラッグシップである「RS e-tronGT」

●オーバーブーストで646馬力を発生

 GT(グランドツーリング)の名を冠しながらも、そのパフォーマンスは、0-100km/hが3.3秒、最高速度260km/hというスーパーカー的な数字を実現している。タイカンの性能に当てはめると、「ターボ」と「4S」の中間ぐらいになるのだろう。

 33個のモジュールからなる総電力量93kWhの800Vシステムによる航続距離は、東京から神戸の先まで一気に行くことができる534km。タイカン同様に、フロントフェンダー右側に最大8kWの普通充電、左側に最大150kWの急速充電用ポートを設けている。アウディ・ジャパンによると、電動化モデルに対応するe-tron店を全国で102店舗まで拡大し、そこでは150kWの急速充電器の設置を随時導入中とのことだ。

 スタートボタンを押してシステムを始動させると、室内にはすぐに低い音量の「グォン、グォン」という、デジタルのe-tronスポーツサウンドが絶えず聞こえ始める。その音色は、アウディの開発者が色々と試した中でベストだと判断したもので、タイカンよりもわずかながら控えめ。コンソールのスライド式シフトでDに入れて動き始めると、アクセルを踏むと「グーンンッ」と一定に、ペダルを離すと「ウォンウォンウォン」と波打つように音質が変化する。

 走りについては、アクセルを床まで踏み込むと、ヘッドレストに頭がめり込むようなとんでもない加速を見せてくれるのは、皆さんのご想像のとおり。0-100km/h加速タイムが同じ3.3秒だったとしても、エンジン車がシリンダーの回転数に伴って車速が伸びていくのに対し、強力なBEVは0km/hからすぐに最大加速体制に入るので、体に伝わるGの感覚が全く異なるのだ。

 その一方で、通常の一般道の流れにまかせるような微低速域でも車速のコントロールがしやすく、普通のクルマとして扱いやすい点が強く印象に残った。

 ステアリングには、タイカンにはなかったパドルが装着されていて、回生ブレーキの効き具合を調整できる。ただしそれはワンペダルのような強いものではなく、緩め。ブレーキをきちんと踏んで減速する、というのはドイツメーカーのポリシーなのかも。それでも最大90%を回生エネルギーとして回収しているので、前走車との車間距離をうまく取ることができるし、カックンブレーキにならずによく止まる。

 スポーツカー然とした佇まいとシャープ走りを見せてくれたタイカンに対して、4ドアクーペのグランドツーリングカーを目指したRS e-tronGTは高品質でまとまりがあり、実用性が高いというアウディらしさに溢れていたのだ。

●AUDI RS e-tron GT
アウディRS e-tron GT
・車両価格(消費税込):1799万円
・全長:4990mm
・全幅:1965mm
・全高:1395mm
・ホイールベース:2900mm
・車両重量:2320kg
・駆動方式:四輪駆動
・変速機:フロント1速/リア2速
・最高出力:475kW
・最大トルク:830Nm
・0-100km/h:3.3秒
・最高速度:260km/h
・1充電走行距離(WLTC):534km
・ラゲッジ容量:350L
・駆動用バッテリー:リチウム・イオン電池
・総電力量:93.4kWh
・サスペンション:(前)ウィッシュボーン式、(後)ウィッシュボーン式
・ブレーキ:(前)ディスク、(後)ディスク
・タイヤ:(前)245/45R20、(後)285/40R20
・ホイール:(前)7.5Jx18、(後)8.5Jx18

Galleryアウディ「RS」の電動化モデルのディテールを【画像】でチェック(21枚)

page

  • 1
  • 2

RECOMMEND