「ビバリーヒルズ・コップ2」に登場するフェラーリは「308」と「328」のどちらが正解?【映画の名車】
間違い探しをしながら楽しむ映画鑑賞
全米ヒットチャート第1位にも輝いたテーマソング『シェイクダウン(ボス・シーガー)』のリズムに合わせるかのごとく、真っ暗なガレージに響き渡る乾いたV8サウンド。世界的スター、エディ・マーフィがスマートな身のこなしで真紅のフェラーリに乗り込み、デトロイトの街を疾走する。これは名作『ビバリーヒルズ・コップ2(1987年・米)』の、あまりにも有名なオープニングシーンだ。

シリーズ第一作での大活躍から3年後。おとり捜査専門に昇格したデトロイト市警の敏腕刑事、アクセル・フォーリーは、今や2000ドルもするブランド物のスーツを身にまとい、押収品であるフェラーリを与えられる身分。
クレジットカードの偽造団にアプローチを仕掛けていたが、偶然見ていたTVで、アクセルにとっては恩人かつ親友ともなったロサンゼルス市警ビバリーヒルズ署のボゴミル刑事部長(ロニー・コックス)が、何者かに撃たれて瀕死の重傷を負ったというニュースと遭遇することになる。
ボゴミル部長と、アクセルにとっては同じく親友であるローズウッド刑事(ジャッジ・ラインホールド)とタガート巡査部長(ジョン・アシュトン)は、事件現場にアルファベット順のカードを残す、凶悪な武装強盗団を追っていた真っ最中。
ローズウッドとタガードのコンビは、背後に見え隠れする陰謀を暴くべく、自身の保身しか考えず、あらゆる提案を拒絶するビバリーヒルズ警察署長を無視してまでもアクセルの援助を求める。そして友情と信義に篤いアクセルは、ふたりの親友の要請に応えるとともに、ボゴミルのリベンジをも図るべく、またもや勝手に彼らの捜査へと合流。冷酷無比な強盗団との対決に飛び込んでゆく……。
●ん? 328それとも308?
この作品でオープニングを飾るとともに、デトロイトでの仕事を無断で離れるアクセルが、同僚を巻き込んだ偽装工作のためにも活用するのが、真っ赤なフェラーリ「328GTS」である。
ただし328GTSが劇中で使用されるのは、なぜかエディ・マーフィとの2ショットのシーンのみ。デトロイトの街中を単独で走り、ドライバーの映らないシーンには308GTSに切り替わってしまうのだ。見ればフロントフードにスリットが入らないので、クアトロヴァルヴォーレ以前のモデルだろう。オープニングだけでも、サイドミラーに注目して確認すれば、少なくとも2台の308GTSと1台の328GTSが使われていることが分かる。
でも、そんなディテールにいちいち噛みつく暇があったら、ソウルフルな音楽、デトロイトやロサンゼルスのカッコいい風景、そして何より、エディ・マーフィの軽妙なトークとクールかつコミカルなアクションを純粋に楽しむ方が絶対に愉しいだろう。
この作品は、80年代のハリウッドが豊穣の時代にあったことを知らしめてくれる、代表的な1本なのである。できれば、日本語吹き替え版で観ることをオススメする。
●劇中車:フェラーリ328GTS
スモールフェラーリと人気を博した308の後継モデルとして、1985年にデビューした328。270psを発する3.2リッターV8をリアミドに搭載。ボディデザイン担当はピニンファリーナ時代のフィオラバンティ。固定ルーフのGTBとデタッチャブルトップのGTS、ふたつのバリエーションを有する。
『BEVERLY HILLS COP II/ビバリーヒルズ・コップ2』
公開年:1987年
上映時間:103分
監督:トニー・スコット
出演:エディ・マーフィ、ジャッジ・ラインホールド、ユルゲン・プロコノフ
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